2点ビハインドの8回無死2・3塁で「内野が下がってるからセカンドゴロを打て」という監督の下では “大砲” は育たんよ

広島 7-6 阪神:16回戦(マツダ・2023年8月15日)

 広島に逆転敗けを喫してマジック点灯とはならなかった阪神の岡田監督が「普通のプレーをしてれば」と馬場や佐藤輝明を批判しています。

 しかし、これらは “普通の采配・選手起用” ができなかった岡田監督が招いた弊害なのです。まずは自らを省みるべきでしょう。

 

佐藤輝明に「セカンドゴロを打って1点を取る」という狙いはない

 まず、無死2・3塁の局面で内野が(下がり目の)通常の守備位置を採っている場合は「セカンドゴロで1点を取って1死3塁で攻撃続行」を狙う形もありでしょう。

 しかし、“今シーズンの佐藤輝明” にそのような打撃アプローチを求めても聞き入れる可能性は極めて低い状況です。

 理由は「交流戦直後に “癇癪抹消” をされたから」です。

 その際、マスコミは「月間打率が低くて不振にあえぐ佐藤輝明を抹消」と岡田監督の姿勢を擁護しました。『セカンドゴロ』は打率が下がりますが、『ライトへの犠牲フライ』だと打率は下がりません。

 佐藤輝明が「ライトへの犠牲フライで1点を取って1死3塁で攻撃続行」を狙うのは当然でしょう。15日の広島戦(16回戦)では “徹底したインコース攻め” を受けていたからです。

 

3打席目まで全球インコース攻めを受けていた佐藤輝明

 15日の広島戦(16回戦)で佐藤輝明は3打席目まで『全球インコース攻め』でした。

 その状況で3打数1安打。リードを3点に広げる貴重なタイムリーを放っており、十分な貢献をしています。

 島内と坂倉の広島バッテリーは佐藤輝明の4打席目では『全3球ともアウトコース寄りのチェンジアップ』を選択。佐藤輝明は空振り三振に倒れました。

 “150km/h 超のストレートによるインコース攻め” が佐藤輝明の頭をよぎるのは仕方のないことです。

 その中で「ライト方向に引っ張れるボール」が1球も来なかった訳ですから、島内と坂倉のバッテリーを褒めるべきでしょう。

 

ケースバッティングをネチネチ求める指揮官の下で “大砲” は育たない

 岡田監督は「2点ビハインドの8回無死2・3塁でセカンドゴロすら打てなかった佐藤輝明」に不満タラタラですが、ネチネチとケースバッティングを要求する指揮官の下で “大砲” が育つことはないでしょう。

 佐藤輝明に期待されていたのは「自らのバットで同点打(もしくは逆転弾)を放つこと」です。「嫌らしいコースにゴロを打つこと」ではありません。

 ケースバッティングをして欲しいのなら、佐藤輝明に代打・糸原を送れば良かっただけのこと。

 “4番大山の59打点に次ぐ56打点を記録している佐藤輝明” にケースバッティングを求めているようでは大砲が育つことはないでしょう。森下翔太に『右打ち』を要求した結果を思い出さなければなりません。

 

 また、岡田監督は馬場にも文句を言っていますが、これは “岡田監督が” 8月6日の DeNA 戦(17回戦)での浜地の投球やプレーに腹を立てて癇癪抹消をして中継ぎ陣が手薄になったことが元凶です。

 自らの采配が招いた結果は「自業自得」であり、敗因を選手に責任転嫁することはあってはならないことでしょう。