内野陣が4失策を記録して4月26日のヤクルト戦に敗れた阪神の岡田監督は翌27日の試合で木浪をベンチスタートとし、小幡を今季初先発にする決断を下しました。
26日での起用方法を踏まえると、この決断は妥当と言えるでしょう。今後の注目点は「小幡に “まとまったチャンス” をどのぐらい与えるのか」になると思います。
「4回表の守備でのダブルエラー」を理由に交代させることができた
岡田監督は「選手に挽回の機会を与える監督」と評されていますが、木浪に関しては “26日の試合中に” その機会を与えていました。
- 4回表にダブルエラー
- 武岡の打球をファンブルし、2死3塁が無死満塁
- 近本の返球をカットするも送球ミス
- 5回裏に回って来た打席で代打は送られず
- 6回表:腰高でサンタナの打球を処理
- 7回表:長岡の打球をトンネル
- 7回裏に回って来た打席で代打は送られず
- 8回表から小幡が守備に就く
この起用方法で「27日の試合も木浪が先発」はあり得ません。
26日の試合前半にダブルエラーをした木浪を “中盤で” 小幡にスイッチしなかったことが理由です。
したがって、27日のヤクルト戦で小幡に先発出場の機会を与えた岡田監督の判断は妥当と言えるでしょう。
“チーム打率を下回る木浪” を辛抱して使い続けるのも限界がある
岡田監督が木浪を先発から外した大きな理由は「打撃不振」です。
2023年 | 2024年 | |||
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チーム | 木浪 | チーム | 木浪 | |
打率 | .247 | .267 | .222 | .205 |
出塁率 | .322 | .320 | .301 | .256 |
長打率 | .352 | .333 | .315 | .274 |
2023年の木浪は打率 .260 以上を維持。チーム打率を常に上回り続ける “恐怖の8番打者” として日本一に貢献しました。
ところが、今年・2024年シーズンは打撃面で苦戦。打率・出塁率・長打率で「チーム打撃成績よりも落ち込みが大きくなっている状態」が続いています。
ゴールデングラブ賞を獲得したものの、木浪は守備範囲や肩の強さで小幡に対して劣勢です。打撃不振から抜け出せないとなると「(若手の)小幡にも先発出場の機会を与えよう」と判断されるのは止むを得ないでしょう。
小幡が昨季の木浪のように好調な打撃を維持し続ければ、木浪はベンチ暮らしを強いられることになります。ただ、そうなるかは誰にも分かりません。
また、岡田監督は1軍戦力にはチャンスを与えていますし、木浪にも先発出場の機会は必ず訪れます。
その時にプレーで応えるための準備をし、健全なポジション争いができるかが連覇への鍵になると思います。