中川勇斗の守備力に注文を付けるのであれば、「先発バッテリー陣の組み合わせ」を “月ごと” に変更すべき

 高卒3年目の捕手・中川勇斗が『打てる野手』として “今年も” 猛アピール中ですが、和田監督は「バタついている」との主観に基づく低評価を下しています。

 守備力を理由に中川の1軍昇格を推薦しないのであれば、『(打力は1軍レベルの)中川の守備力が向上する起用方法』を2軍監督である和田監督がしなければなりません。

 「中川が先発マスクを被る機会を増やす」と共に「先発バッテリー陣の組み合わせの変更」を行う必要があるでしょう。

 

中川は若手捕手陣の中でマスクを被る機会が最も少ない

 2024年の春季キャンプ中に右太ももの問題で離脱した中川は3月下旬に実戦復帰。すでに開幕していた4月のファーム公式戦での起用状況は以下のとおりでした。

表: 阪神2軍捕手陣の起用(2024年4月)
榮枝 藤田 中川 片山
守備イニング 64 65 47 12
打席数 46 29 31 34

 高卒3年目の中川は47イニングでマスクを被り、大卒4年目の榮枝と高卒5年目の藤田は65イニングとなっています。

 起用傾向としては「若手捕手3人がマスクを被る機会は原則的に3等分」。平等な出場機会を担保している状態です。

 打席数は “DH 起用がある” 榮枝や中川が多く積み重ねており、DH や一塁での起用のある片山も同様の傾向にあります。

 

中川に守備力向上を注文するなら、現状の起用方法では物足りない

 和田監督は「守備でバタつきが見られる」との評価で中川の1軍昇格に消極的なコメントを残していますが、2軍に留めるのであれば『2軍で守備力が向上する起用方法』をしなければなりません。

 その1つは『実戦でマスクを被る機会の増加』です。

 中川は高卒1年目の夏に藤浪とバッテリーを組んでいます。“守備力に難のある捕手ではない” ため、「2軍の首脳陣が中川に出場機会を与えるか」が問われているのです。

 もう1つは『先発バッテリー陣の入れ替え』です。

  • 阪神2軍の先発バッテリー(2024年4月分)
    • 榮枝:及川、富田 x2、ビーズリー x2、鈴木、髙橋
    • 藤田:西純 x3、門別 x2、津田 x2、及川
    • 中川:秋山 x2、茨木 x2
    • 片山:秋山、鈴木
    • 長坂:髙橋

 2024年4月に中川がマスクを被った際の先発投手は秋山と茨木。両投手とも “早期の1軍昇格はない投手” であり、捕手は投球内容で「バタついている」などネガティブな目で見られてしまいがちです。

 そもため、和田監督がすべきことは『中川を秋山や茨木以外の先発投手とも組ませる』ことです。

 様々な先発投手と組むことで中川自身が「他のキャッチャーと組んだ際の違いは何か」を “学習” できますし、改善点も認識できるからです。

 

 これらの改善策を講じないのであれば、和田監督は解任されるべきでしょう。無謀な要望ではありませんし、依怙贔屓な選手起用を強いている訳でもないことが理由です。