“伏兵の思わぬ一発” を浴びて後手に回ったチームが敗戦を喫した広島対阪神の3連戦

 7月4日からマツダスタジアムで行われた広島対阪神の3連戦(10回戦〜12回戦)は2勝1敗でカープがゲーム差を詰めることに成功しました。

 初戦は別にすると、2試合目と3試合目は「伏兵の一発」が試合を左右する要因になりました。両チームの戦力は拮抗していると言えるため、混戦が続くことになるでしょう。

 

西勇輝の乱調で勝負は早々に決する

 広島 9-1 阪神:2023年7月4日・10回戦(マツダ)

 3連戦の初戦は「阪神の先発・西勇輝が初回に5失点の大乱調」だったことで勝敗の行方が早々に決してしまいました。

 1回表に手にした1死1・2塁で4番大山、5番ノイジーの場面で先制していれば違った試合展開になったかも知れません。ただ、西勇輝の投球内容だと逆転敗けを喫していたでしょう。

 岡留が1軍デビューを果たした以外の収穫を見つけることが難しい試合でした。

 

島田の先頭打者ホームランが効果抜群だった11回戦

 広島 0-2 阪神:2023年7月5日・11回戦(マツダ)

 2戦目は近本の離脱で1番に抜擢された島田(打率1割)の先頭打者ホームランで阪神が先手を取れたことで主導権を握りました。

 阪神の先発は「多彩な球種で打たせてとる投球」が持ち味の大竹。ストライクを取ることに苦労しない制球力を武器にカープ打線を “幻惑” しました。

 広島サイドには「球数を投じさせてブルペン勝負に持ち込む」ことも選択肢として存在していましたが、阪神は前日の試合で大敗していたため勝ちパターンの投手は休養十分な状態です。

 したがって、大竹に『慎重な投球』を強いる展開に持ち込めなかった時点で「阪神が勝利をほぼ手中に収めていた」と言えるでしょう。

 

小園のホームランで広島が “お返し” に成功した12回戦

 広島 4-0 阪神:2023年7月6日・12回戦(マツダ)

 6日に行われた3連戦最後の12回戦は「前日とは逆の展開」になりました。

 阪神は防御率1点台の村上が先発するも同点の2回裏に(打率が1割を下回っていた)小園に先制2ランを被弾。

 リードを貰った広島の先発・野村は「前日の大竹耕太郎」を彷彿させるピッチングを披露。阪神打線をストライク先行で簡単に追い込み、多彩な球種を追いかけさせることで凡打の山を築いてイニングを消化しました。

 一方の阪神はベンチワークで効率的に動くことができず。

 捕手2人制で7回表に坂本誠志郎に代打を送るも1塁走者ノイジーは変えずに(スライディングをすることなく)本塁憤死。この走塁を佐藤輝明がしていたら岡田監督はマスコミの前で糾弾していたことでしょう。

 

 “打たせてアウトを取る投球スタイルの投手” は擁護点を手にすると『大胆さ』が出てくるので攻略は難しくなります。2戦目と3戦目は試合展開は同じでした。

 阪神は3戦目での不味いベンチワークが尾を引く可能性があるだけに「切り替え」が重要になると思われます。