東京ドームで行われた巨人との開幕カードの3連戦は阪神の1勝2敗でした。
初戦と2戦目は完封負け。3戦目も7回まで無得点であり、「打線が機能するか」が今後の鍵であることは否定しようがないと思います。
「(阪神打線は長打がないので)ストライクゾーン勝負」が作戦として機能
阪神打線の鍵を握るのは「好球必打」でしょう。2023年の阪神打線は「12球団トップの555得点」を記録しましたが、「リーグ平均を下回る1679塁打」だったからです。
阪神 | リーグ平均 | |||
---|---|---|---|---|
'23年 | '22年 | '23年 | '22年 | |
得点 | 555 | 489 | 503 | 520 |
打率 | 0.247 | 0.243 | 0.244 | 0.248 |
塁打 | 1679 | 1606 | 1727 | 1775 |
四死球 | 551 | 405 | 434 | 422 |
三振 | 1173 | 1020 | 1048 | 1011 |
盗塁 | 79 | 110 | 56 | 64 |
犠打 | 106 | 101 | 119 | 104 |
出塁率 | 0.322 | 0.301 | 0.306 | 0.308 |
要するに「長打力不足を『待球作戦による四球増』で補っていた」のです。
- 2024年の開幕カードで巨人が採った作戦
- ストレートをストライクゾーン内に投げ込み続けて常に『有利なカウント』で勝負
- 初球から積極的に来る佐藤輝明 “だけ” は「初球から変化球の勝負球」か「インコース攻め」
阪神打線も『甘いカウント球』を仕留めようとしていましたが、戸郷・グリフィン・高橋礼の出来が上回ったために手も足も出ず。先行きに不安が残ったことは否定できません。
梅野や小幡が “開幕” したことがプラス材料
全体的に打線低調の阪神ですが、プラス材料を持ち帰れることが収穫です。
日本シリーズでは控えに甘んじていた “昨シーズンの開幕メンバーだった梅野と小幡” がポジションを争うライバルに先んじてシーズン初安打を記録しました。
連覇を狙う2024年シーズンは「チーム力の底上げ」が欠かせません。梅野や小幡が打撃でアピールに成功すると坂本や木浪は安泰とはなりませんし、健全なチーム内競争はチーム力を底上げします。
また、小野寺やノイジーが打撃でコンスタントに貢献してくれれば近本・森下・前川を “フル稼働” させずに首脳陣が意図したタイミングで休養を与えることが可能になります。
長いシーズンを戦い抜く上で選手層の厚さは重要になりますし、強力投手陣が宝の持ち腐れとならないよう打線を機能させることが大事になると思います。