4月19日に行われた阪神対中日の4回戦は 7-0 で阪神が快勝しました。
1週間前にも対戦した顔合わせだったため、『対・青柳』を見据えて先発ローテーションを再編した中日を返り討ちにしたことはポジティブ材料です。
しかし、門別を19日の試合で登板させる必要はありませんでした。この起用は「親心」や「美談」などではなく「愚行」として厳しく批判されるべきでしょう。
“左打者の宇佐見” を起用するためのローテ再編
阪神と中日は1週間前の週末にも対戦しましたが、中日は日曜日に登板した梅津を抹消していたことで「先発ローテーションの変更」が週明けの時点で決定していました。
- 青柳との対戦打率は打者によって極端
- 右打者でも細川は青柳を得意とする
- “右打ちの捕手陣” は青柳を苦手
- 中6日で柳だと捕手は “右打ちの加藤”
- 中5日でメヒアだと捕手は “左打ちの宇佐見”
- メヒアは前回登板でも中5日で6回2失点
- 2回以降は2塁を踏ませず
『対・青柳』を見据えて、柳とメヒアをそれぞれ中5日で先発起用としたのでしょう。
2回表に細川と宇佐見の連打を足かがりに先制のチャンスを作り出しており、狙いどおりの展開に持ち込めていました。しかし、阪神は青柳が1死2・3塁のピンチを切り抜けることに成功。
直後の2回裏に “メヒアが苦手とする佐藤輝” がチャンスメイクした得点機に2点を奪って主導権を掴み、中押しとダメ押しで勝負を決定付けています。
「カード頭を取った」ことよりも「ローテ再編が裏目に出た」との印象を中日に与えての勝利は尾を引く可能性があるため、大きな勝利と言えるでしょう。
“4月14日の2軍戦で93球を投じた門別” を中4日で起用しなければならなかった理由は存在しない
その一方で岡田監督の采配として終わってるのは「門別の甲子園お披露目登板」です。門別は4月14日(日)に鳴尾浜で行われたソフトバンクとの2軍戦で先発。7回を93球で投げ切っています。
「甲子園の雰囲気に慣れさせたかった」と弁明しても4月19日から21日までの3連戦が組まれているのですから、5日前に93球を投じた “今年20歳の誕生日を迎える若手超有望株投手” を中4日で中継ぎ登板させる意義は皆無です。
「門別が甲子園で登板しましたね」と持ち上げるのではなく、「ファームで100球近く投げた門別を中4日で中継ぎ登板させたら故障しかねない」と岡田監督の起用方法に苦言を呈することがマスコミの使命でしょう。
問題のある采配や起用方法を “ど正論” で批判し続けていれば、「囲み取材の拒否 = 自身の意図についての説明責任から逃げる卑怯者」との図式が出来上がりますし、その恩恵はマスコミが最も享受できるからです。
20日と21日の試合での懸念事項となるのは「公式球の変更疑惑」でしょう。“4月19日の7カード目” から『飛ばないボール』ではなくなっている可能性があるからです。