阪神の岡田監督が【貧打に悩む打線】を嘆いています。得点力不足の原因は以下に指摘する要素が主な理由でしょう。
- 送りバントの重用
- 近本と中野の盗塁は赤信号が常時点灯
- 佐藤輝への打撃指導
- 打率1割の梅野が捕手3人制で先発フル出場
根本的な原因は「岡田監督の采配と選手起用」なのです。岡田監督自身が方針を改めない限り、阪神打線の得点力が上向く可能性は低いと思います。
送りバントは得点期待値と得点確率を下げる作戦
まず、岡田監督が重用している送りバントは「得点の期待値と確率を低下させる作戦」です。
阪神は1番・近本が無死で出塁しても(出塁率が4割近くある)2番・中野に送りバントをさせて相手に1アウトを献上しています。
「近本と中野で塁を埋めてクリーンナップ」という状況を岡田監督が采配で作らないようにしているのです。
1死2塁でクリーンナップなら「タイムリーでの1点は止む無し」と割り切れますし、長打を防ぐ配球をしてヒット性が当たりが運良く内野手の正面に飛んでくれればアウトを稼ぐことができます。
1イニングで複数得点の可能性を自ら放棄しておきながら「得点数の少なさ」を嘆くことは矛盾と言わざるを得ません。
盗塁を仕掛ける気配がないと「速球と変化球のコンビネーション」で攻められる
次に、問題なのは「近本や中野など盗塁王を狙える選手にグリーンライトを与えていないこと」でしょう。
岡田監督は【意表を突く盗塁】は好むものの、リスクのある【浅いカウントでの盗塁】には消極的です。この部分のデメリットは無視できません。
- 近本や中野が盗塁せずに1塁に留まる
- +: 1・2塁間が広く開く
- ー: 投手が『変化球』を使いやすくなる
- 近本や中野に浅いカウントで盗塁を仕掛ける気配がある
- +: 『速球中心の配球』を強いられる
- ー: 盗塁死で走者がいなくなる可能性がある
4月22日の中日戦(3回戦)で7回裏に大島のライト前ヒットで2死1・3塁を作られた場面が代表例です。
5回裏の2死1塁で阪神は中日の大島にエンドランを決められた反省を活かし、7回裏の打席では「盗塁を警戒してストレート中心の配球」で攻めました。それを読み切られて返り討ちにあったのです。
打者が球種を限定できる攻撃をチームとして仕掛けようとしないことは「ベンチの怠惰」との批判は免れないでしょう。
岡田監督の打撃指導でバッティングフォームが崩れた佐藤輝
また、岡田監督は出塁した1・2番を返すことができないクリーンナップ(特に佐藤輝明)への不満をマスコミを経由して発信していますが、佐藤輝に打撃改造を指導したのは岡田監督自身です。
解説者として「重心が高い」、「スタンス幅が狭い」、「グリップの位置が高すぎる」など佐藤輝のバッティングフォームを否定。
【岡田監督が理想とする打撃フォーム】への変更を指導した結果、佐藤輝は大不振に陥ってしまいました。
主力選手を自らの指導で不振に陥らせた現実から目を背けて「打ってへんなあ」と他人事のように語ってマスコミの集中砲火を浴びせる姿勢は論外です。
Tー岡田が(岡田監督やお供の打撃コーチ陣による)唯一の育成成功例なのです。造反有理と言えるでしょう。
捕手3人制の意味がない選手起用
最後は「岡田監督が正捕手に指名した梅野の先発固定起用への固執」です。
梅野を正捕手として固定起用するのことは岡田監督の権限です。ただし、捕手3人制を採っておきながら打率1割の正捕手に試合終盤のチャンスの局面で代打を送らないことは意味不明です。
- 捕手2人制だから代打を送りにくい
- 梅野の方が代打陣より【打率】や【対戦投手との相性】が良い
梅野に「代打を送りにくい状況」はありますが、それらには該当していないのです。
先発捕手が基本的にフル出場するなら捕手2人制にすべきでしょう。また、22日の中日戦(3回戦)で「代打を送るやつがおらへん」と言って『代走・渡邉諒』も意味不明です。
岡田監督が「1点を取る采配」ではなく「1点しか取れない采配」を継続する限り、阪神は得点力不足に悩み続けることになると思います。