球団史上初の連覇を目指す阪神タイガースの2024年シーズンの展望。
打撃陣は『好球必打』がテーマです。2023年シーズンは「四球を上手く絡めた阪神打線の得点力」が際立ったため、各球団ともに対策を講じているでしょう。
『待球作戦』は逆効果になるリスクがあるため、“甘いカウント球” を確実に仕留める『好球必打』が重要と考えられるからです。
浅いカウントでストライクゾーンに来る可能性が大
2024年シーズンは「ストライクゾーン内に “強い球” を投じる球団が増える」と予想されます。
チームとしての与四球が多かった巨人は阿部監督が「ストライクゾーンにミットを構えろ」と捕手陣に厳命。
同じく与四球数に苦しんだ中日も今中臨時コーチが「真ん中高めのちょい甘に強い球を放れ」と説いているからです。
今シーズンは “浅いカウント” では「際どいコースを狙った誘い球」は影を潜め、「甘めのコースに投じられた強い球」で(ファールを打たせるなど)ストライクカウント先行を狙った配球の割合が増えるでしょう。
この際に『待球作戦』を採ってしまうと打者が不利になります。そうした状況に陥らないための『好球必打』であり、『スイングすべき球を選択する選球眼』が重要になるのです。
セイバーメトリクス的に正しくない「5番・佐藤輝明」をどうするか
2024年の阪神タイガースが打線として抱えている課題は「セイバーメトリクス的に正しくない “5番・佐藤輝明” をどうするか」です。
重要度 | 候補 | 役割 | |
---|---|---|---|
1 | A | 近本 | 出塁率重視 |
2 | A | 中野 | 出塁率重視。併殺を回避できる走力があると良い |
3 | B | 森下 | 2死で打席に入ることも多く、最優秀打者が宝の持ち腐れになり得る |
4 | A | 大山 | 長打力重視 |
5 | B | 佐藤輝 | |
6 | C | ノイジー |
2023年シーズンに記録した wRC+ が阪神タイガースで高かったのは近本・大山・佐藤輝の3人。
“得点貢献度がチーム内で3番手以内に入る佐藤輝明” が「上位打線の中で最も重要度が低い『5番』で起用されていた」にも関わらず、12球団トップの555得点を叩き出しました。
打線がコンスタントに得点を記録していれば、セイバーメトリクス的に正しくない打順でも問題はありません。
思うように得点できていない時期に「どの選手の打順を入れ替えてテコ入れを図るか」が重要になるでしょう。