オープン戦の札幌シリーズでの収穫は茨木や藤田など春季キャンプ中にアピールした若手選手を1軍で起用できたこと

 2024年のオープン戦5連敗中の阪神タイガースですが、3月2日と3日の札幌ドームで行われた2試合では「春季キャンプ中にアピールした若手選手を1軍の試合で起用したこと」が収穫となりました。

 課題が突きつけられた若手選手もいましたが、それは問題ではありません。

 「2軍で通用したことが1軍では通用しない」は実感しないと分からないからです。5日からの楽天戦では髙寺など “現在ファームで好調を維持してアピール中の若手” にチャンスを与えることが注文になるでしょう。

 

連敗は腹立たしいが、若手選手は1軍での経験を糧にすれば良い

 2日の試合後に岡田監督が文句を口にした榮枝は「『2軍で通用する配球』がそのまま1軍でも通用するとは限らない」と痛感してくれれば収穫です。

 1軍での配球は伊藤将司や西勇輝などと実戦でバッテリーを組んで少しずつ学んでいくものです。2軍で高卒の捕手に『プロの配球』を教えても、その配球だけでは1軍では通用しません。

 捕手に関しては「1軍経験の少ない捕手にどのタイミングでマスクを被らせるか」がポイントになるでしょう。このテーマは榮枝だけではなく藤田や中川にも言えることです。

 3日の試合では “走者のいない時は2段モーションで身体を捻じって投げる及川” の投球フォームに岡田監督は文句を付けていました。

 及川の投球フォームの特徴はプロ入り当時から同じです。昨年から同じ課題を抱えていたのですから、その中で走者を背負った際にマシンガン継投で及川を投入した『岡田監督自身の采配』も反省しなければならないでしょう。

 

5日からの楽天戦では髙寺などファームでアピール中の若手にチャンスを与えるべき

 阪神は3月5日から(天候不良での中止があり得るものの)甲子園での楽天戦が控えています。

 中野と森下が侍ジャパンに参加する関係で内野手と外野手をファームから補充する必要があるのですが、その際に「髙寺などファームで結果を残している若手選手に声をかけて起用できるか」が注目点になるでしょう。

 調整中の中堅・ベテラン勢を呼ぶ必要はないですし、若手選手を帯同させるだけでも意味はありません。

 中野や森下は「フル稼働」が期待される主力選手ですが、「フルイニング出場」は選手寿命を縮める大きな要因になるだけです。そうならないためにも若手選手は使えるタイミングで積極的に使っておくことが重要になると思います。