阪神は8月7日付の公示で浜地の登録を抹消しました。岡田監督は6日の DeNA 戦で走者を背負う苦しいピッチングとなった浜地とケラーを批判していますが、これは間違いです。
浜地とケラーは梅野とバッテリーを組んだ際の被 OPS は 0.700 超。ピンチを招く可能性が高いことは試合前の時点でデータで示されていたからです。
その投手を1点リードの局面で送り込む決断をした岡田監督に「浜地とケラーがピンチを招いたこと」を批判する資格はありません。癇癪抹消など論外でしょう。
キャッチャーが梅野か坂本かで投球成績が大きく異なる浜地とケラー
『捕手別防御率』だとピンチを引き継いだ投手が火消しに成功すると悪化することはありませんが、『捕手別被 OPS』はそうはなりません。2023年の浜地とケラーは『捕手別の被 OPS』が違いすぎるのです。
捕手:梅野 | 捕手:坂本 | |||
---|---|---|---|---|
浜地 | ケラー | 浜地 | ケラー | |
11.2 | 16 | 投球回 | 8.2 | 7.2 |
52 | 72 | 打者数 | 32 | 30 |
11 | 14 | H | 5 | 2 |
0 | 3 | 2B | 0 | 0 |
0 | 0 | 3B | 0 | 0 |
3 | 1 | HR | 0 | 0 |
2 | 10 | 四死球 | 2 | 5 |
1 | 0 | 犠飛 | 0 | 0 |
0.777 | 0.776 | 被OPS | 0.385 | 0.313 |
8 | 6 | 失点 | 1 | 1 |
浜地とケラーは『梅野と組んだ時の被 OPS』が 0.700 超。この数値だと登録抹消は止むを得ません。
しかし、浜地とケラーは『坂本と組んだ際の被 OPS』は 0.385 と 0.313。こちらは “守護神の岩崎” に匹敵する素晴らしい数値を残しているのです。
浜地とケラーが梅野とバッテリーを組んだ際にピンチを招くのは “データどおりの結果” です。投手起用の決定権を持つ岡田監督に文句を言う資格はありません。
浜地は6月以降に坂本とバッテリーを組んだ5試合で1人のランナーも許していなかった
浜地の抹消を癇癪抹消と批判する理由は「浜地が6月以降に坂本とバッテリーを組んだ5試合4.1イニングで1人のランナーも許さない完璧な投球を続けていたから」です。
相手 | 投球回 (球数) |
失点 | 被安打 (与四死球) |
奪三振 | |
---|---|---|---|---|---|
5/13 | De | 1回 (11球) |
0 | 1 | 0 |
5/16 | 中 | 1回 (17球) |
0 | 0 (1) | 1 |
5/18 | 中 | 1回 (17球) |
0 | 3 | 1 |
5/23 | ヤ | 1回 (13球) |
0 | 1 | 0 |
5/27 | 巨 | 0.1回 (11球) |
1 | 0 (1) | 0 |
6/3 | ロ | 1回 (10球) |
0 | 0 | 0 |
7/12 | De | 1回 (19球) |
0 | 0 | 1 |
7/16 | 中 | 0.1回 (1球) |
0 | 0 | 0 |
8/2 | 中 | 1回 (15球) |
0 | 0 | 1 |
8/4 | De | 1回 (13球) |
0 | 0 | 0 |
坂本とバッテリーを組んで好投を続けていたのであれば、坂本がマスクを被っている試合で勝ちパターンに抜擢起用するのが “普通” です。
それすらできないのは岡田監督が「誰がキャッチャーでも投手の成績は同じ」との考えに固執しているからでしょう。
岡田監督が間違った中継ぎ運用をしていることは誰も否定できない事実と言わざるを得ません。