森下翔太を1番で機能させるには『プロ1年目の近本』と同様に「自由かつ積極的に打たせる」ことが重要

 右肋骨の骨折で近本が不在となったことで生じた1番の座をドラ1ルーキーの森下翔太が埋めようとしています。

 森下が1番として機能し続けるかは「首脳陣が森下に余計な制限を極力設けないこと」が鍵になるでしょう。具体的には近本のプロ1年目と同様に「自由かつ積極的に打たせることができるかどうか」です。

 ベンチが『右打ち』や『四球狙い』などで制限をかけるようだと森下が状態の良さを維持するのは難しくなると思われます。

 

森下は「ポイントが前のプルヒッター」

 森下の打者としての特徴はヤクルトの塩見と同じです。プルヒッター(=引っ張り傾向の打者)でミートポイントは前目です。

 どの方向に打っても良い局面では『自分のスイング』をして長打や芯で捉えた当たりを飛ばす確率が高くなります。

 しかし、ベンチが『右打ち』のサインを出していると “右肩が下がった窮屈なスイング” で「ライトの定位置よりも少し前目に力のないフライが飛ぶ」という傾向のある打者です。

 したがって、森下を1番で起用するのであれば『森下の良さが活きる指示』をベンチが出す必要があるでしょう。

 

今の森下翔太を『プロ1年目の近本』と割り切った打線を組めるかが鍵

 具体的には「『今の森下翔太』を『プロ1年目の近本』と見なした打線を岡田監督が組めるか」です。

 森下には「甘いカウント球を一発で仕留めて来い」との指示を走者の有無に関係なく出し続け、2番の中野には「森下が相手投手に投げさせた球数を考慮したアプローチをしてくれ」と頼めるかが鍵です。

 “球数を投じさせる技術も習得した中野” に守られた「1番・森下」が機能して実績を残していれば、近本が復帰した際に「3番・センター近本」も選択肢になります。

  1. 右・森下
  2. 二・中野
  3. 中・近本
  4. 一・大山
  5. 三・佐藤輝 / 左・前川、ミエセス、ノイジー

 『1番・森下』の評価項目は「1番に座ってからの打率が .260 以上を維持できるか」になるでしょう。“甘いカウント球に対して積極的に仕掛ける打者” は「打率=確実性」となるからです。

 1番打者としての打率が .230 を下回るようだと出塁率が .300 以上ではない限り、島田や小野寺など他の選手に『1番打者』としてのチャンスを与えるべき状況にあるからです。

 

 1番での起用だとベンチから『右打ち』の指示が出る場合は限られます。「得点に繋がる出塁」と「得点圏で走者を返す打撃」が主に期待されるため、今の森下にとっては理想的な打順になるかもしれません。

 近本離脱という災いが森下の才能開花という福に転じてくれることに期待です。