阪神 2-3 DeNA:21回戦(甲子園・2023年8月29日)
8月29日に甲子園で行われた阪神対 DeNA 戦(21回戦)は土壇場で阪神の守護神・岩崎に2本の本塁打を浴びせた DeNA に軍配が上がりました。
この試合では本調子とは言えない投球内容が続いていた両先発投手の出来が非常に素晴らしく、どちらの先発投手も勝利投手に値するピッチングでした。
それだけに29日の試合で敗れた阪神は切り替えが重要になるでしょう。
2塁を踏ませなかった西勇輝
阪神の先発・西勇輝は7回を94球で終え、DeNA 打線に2塁すら踏ませませんでした。
7回を投げてベンチに下がった際に “1番遠くの席に陣取る岡田監督” が満面の笑みで西勇輝を出迎えたことが投球内容を物語っていると言えるでしょう。
DeNA にチャンスがあったとすれば、5回と7回に先頭打者を2度出塁させていたことです。
ここで『強硬策』を採ったのですが、内野ゴロによる併殺を恐れて後続は2者連続のフライアウト。転がす技術を持った打者に『エンドラン』を出して揺さぶられると厄介だっただけに阪神は拙攻に救われる形となりました。
左打者はお手上げ状態だった今永
一方で DeNA の先発・今永も7回136球で無失点と粘り抜きました。
今季の今永は対左打者を苦手としていたのですが、29日の阪神戦に先発した今永は「横の角度」が抜群に素晴らしく、左打者はアウトコース寄りのストレートをバットに当てることも困難な状態でした。
しかし、右打者にはクロスファイヤーのストレートがボール半個分だけインコースに行き続けて『ボール判定』となり、球数を要して四球でピンチを招く苦しいピッチングになっていました。
ただし、球威と切れは最後の最後まで衰えませんでした。これが無失点で7回を投げ抜いた最大の要因でしょう。
相手打線を制圧し続けた “エースの投球内容” と比較されると苦しい
継投策に入った DeNA はウェンデルケンと森原に託しましたが、2人合わせて被安打は6。
阪神打線が “今永が投げ続けた球界最高水準のストレート” を体感していただけにストレートが通用しませんでした。
対する阪神は “パワーピッチャー型の岩貞” は8回を抑えたものの、“緩急を織り交ぜて打者を翻弄するタイプの岩崎” はコントロールミスを見逃して貰えずに2本塁打を被弾して敗戦投手となりました。
勝ちパターンで計算している投手が打たれたのは両チームとも同じですが、チームが敗戦を喫した阪神の方がショックは大きくなるでしょう。
したがって、チームとして上手く切り替えて30日の試合に迎えられるかが鍵になると思われます。