及川の2死からの与四球・被本塁打で雲行きが怪しくなり、プロ初犠打を狙う小野寺のバント失敗で流れを手放し、3連投の岩崎が不運な当たりを発端にセーブ失敗で敗戦

 6月17日に行われたソフトバンク戦は7回以降に5失点を許した阪神が 4-6 で逆転敗けを喫しました。その要因は以下の3つでしょう。

  • 2アウト後に四球と本塁打を続け様に許した及川
  • “プロで犠打を成功させていない小野寺” にバントの指示
  • 3連投を命じられた岩崎が悪い流れを止められず

 ソフトバンクに傾いた流れを止めることはできなくても、緩めることは采配で可能だったと思われるからです。その認識が欠けていたと思われます。

 

及川は良い投球内容だっただけにもったいない

 まずは7回表に登板した及川です。3球で2アウトを取り、甲斐には3球で1ボール2ストライクと簡単に追い込みます。

 ここからの “最後の仕上げ” が上手く行きませんでした。

 スライダーがワンバウンドのボールとなり、速球を2球続けるも高めに浮いて与四球。次の野村勇に「1ボールからストライクを取りに行った真ん中のストレート」をレフトスタンドに運ばれて2失点を喫したからです。

 投手有利のカウントから制球を乱し、上ずったボールで与四球・被本塁打と立て続けに喫したことは次回登板に向けた反省材料にしなければならないでしょう。

 

1軍で犠打成功がない小野寺に送りバントを命じた采配

 及川が2アウトから2失点を喫して1点差に詰め寄られたものの、阪神は8回裏に先頭の佐藤輝がツーベースで出塁して無死2塁の絶好機を手にします。

 この局面で『送りバント』の采配は理解できるものです。

 しかし、「プロ入り後に犠打を1度も成功させていない小野寺に『送りバント』を命じた采配は最善策だったのか」は疑問が残ります。

 なぜなら、代打・島田に『送りバント』を命じる選択肢があったからです。

 マウンド上にいたのは右投手の大津。アウトコース中心ならセーフティー気味にすれば『送りバント』は決めやすいですし、インコースなら『引っ張った内野ゴロ』で佐藤輝を3塁に進塁させれたと思われるからです。

 「作戦」よりも「作戦遂行者」が適切だったのかは見直さなければならないでしょう。

 

岩崎の3連投は良かったのか

 最後は「岩崎に命じた3連投」です。

 岩崎が投じていたボールは悪くなかったものの、先頭の嶺井が放った打球はライト線に落ちる(阪神にとっては不運な)当たりで得点圏に走者を背負い、2死まで漕ぎ着けるも中村晃に逆転打を許してしまいました。

 明日(6月18日)の試合では “4連投となる岩崎” の起用は無謀です。

 『撤退戦や撤収戦で投手の疲労を分散させ切れなかった代償』は支払わなければなりませんし、K・ケラーや島本など『良い球を投げている投手を競った試合で登板させなかった代償』もバカにはできません。

 

 4点のリードを守り切れなかった采配は岡田監督を筆頭に「ベンチワークの責任」として批判を受けるべきでしょう。その上で選手起用を改善する必要があると思います。