小野寺を3番で起用して7回表の第4打席で代打・島田を送った岡田監督の采配は的確

 9月2日に行われたヤクルト対阪神の21回戦で3番に起用された小野寺が逆転の2点タイムリースリーベースを放って活躍しました。

 岡田監督は小野寺の貢献に満足気ですが、マスコミは第4打席で代打を送られたことなど采配に首を傾げている様子です。

 岡田監督が相手投手の特徴や打撃内容を踏まえた采配をしていること」を取材陣が理解し切れていないことが齟齬の理由でしょう。

 

1点差に迫った一打同点の場面で逆転タイムリーを放ってくれれば十分

 小野寺は “オープンスタンスでスイングをする打者” であるため、岡田監督は「クロスファイヤーを武器にする左投手との対戦」で小野寺を重宝しています。

 2日の試合で先発したヤクルトのピーターズはその典型例な投手です。だから、インコースのストライクゾーンに投げにくさを覚える小野寺を3番に起用したのでしょう。

 その小野寺は1点差に迫った3回表2死1・2塁で詰まりながらも打球をライト線に落として2者を生還させます。

 『試合を振り出しに戻したい局面』で “同点打どころか逆転打を放った打者” は「期待された仕事を十分に果たした」と評価されて当然です。

 試合後に小野寺の3番起用を問われた岡田監督が開口一番に「打つからや」と述べ、「あの1本で十分」と満足気になったのは上述の理由があるからです。

 

7回表の第4打席で代打が送られたのは第3打席の内容が理由

 岡田監督が7回表に第4打席が回って来た小野寺に代打・島田を送った理由は「第3打席」にあります。

 小野寺は5回表の第3打席でヤクルトの3番手・阪口と対戦したのですが、4球目に頭部付近に抜け球のストレートが来て(残像によって)打撃フォームを崩された状態でした。

 その状態で小野寺に7回表の第4打席で(阪口と同じ右投手で制球力に不安のある)星と対戦させるメリットは阪神ベンチにはありません。

 守備固めを理由に “速球への対応力のある島田” を代打で送り、「小野寺の打撃フォームが完全に狂わされる前に交代させて9月3日以降の試合前練習などで打撃フォームの微調整を図る」が途中交代の本当の理由でしょう。

 この “親心” による采配は大いに支持したいと思います。