石井大智の腰痛での離脱は痛手だし、7人でブルペン陣を担うのが「先を見据えた采配」だとは思えない

 5月11日のヤクルト戦でプロ初勝利をあげた石井大智が「腰痛」を理由に翌日・5月12日付で出場選手登録を抹消されました。

 勝ちパターンを任されていたセットアッパーの離脱は痛手です。

 ただ、雨天中止などの影響で9月と10月に連戦が組まれることを考えると「ブルペン7人制」は合理的とは言えないでしょう。大事なシーズンの最終盤にブルペン陣が “パンク” してしまう恐れがあるからです。

 

巨人の中川皓太は腰痛でシーズン全休

 石井大智の「腰痛」が心配なのは巨人の中川皓太が腰痛でシーズンを全休したからです。

 起用方法は投手ごとに異なりますが、身体への負担度合いも投手ごとに異なります。

 ジェフ・ウィリアムズ、藤川、久保田の "JFK" 時代よりも投手に要求される【出力】が高くなっていることから『休養』が重要な要素だと言えるでしょう。

 

『ブルペン7人制』が「9月や10月での戦いを見据えた起用方法」とは思えない

 岡田監督は(広島での3連戦が雨天中止となったことなどから)ゴールデンウィーク明けは『ブルペン7人制』を敷いています。

表: 岡田阪神のブルペン陣
開幕当初 5月13日時点
湯浅 守護神 岩崎
岩崎
浜地
石井
K・ケラー
セットアッパー
(勝ちパ)
K・ケラー
加治屋
岩貞
ビーズリー
中継ぎ 加治屋
岩貞
ビーズリー
及川
浜地
富田
(村上)
ロング
離脱中 湯浅 / 石井

 この起用方法だとブルペン陣はシーズン最終盤に疲労で息切れするでしょう。登録されている中継ぎ投手の枚数が単純に足りないからです。

  • 先発投手が6回3失点だと、ブルペンから3投手の登板が基本
  • 先発投手が早い回に KO されると複数イニングを投げれる投手が必要
  • “前日に複数イニングを投げた投手” の連投は(故障のリスクと疲労の面で)望ましくない

 先を見据えているなら「9月や10月に調子の良い中継ぎ投手でブルペン陣を構成するためのセレクションと言うべき起用や登録が行われている」はずです。

 しかし、岡田監督の起用方法は “シーズン前に『1軍のブルペン陣』と認定した投手だけでのやりくり” に映るからです。

 

 馬場、島本、小林は「ビハインドでの回跨ぎ要員」から1軍での信頼を勝ち取るための起用方法でチャンスを与えるべきでしょう。岡留の場合は「1軍お試し枠」です。

 中継ぎ投手の起用方法は現状では【先を見据えた采配】とは言い難いのですから、是正されるかが今後の注目点になると思います。