火消し役が “登板準備過多” で疲弊してブルペン陣がボロボロになった責任は岡田監督にある

 2023年の交流戦で最後にブルペン陣が “投壊” となった阪神タイガースですが、その原因となったのは「岡田監督のブルペン運用」です。

 火消し役に指名された投手がほぼ毎試合で肩を作る登板準備による疲労でコンディションを落とし、ブルペン陣全体に悪影響が波及したことが踏み留まれなかった理由でしょう。

 運用方法を見直さなければ、シーズンを乗り切ることは難しいと思われます。

 

毎試合で肩を作るよう求められる火消し役

 岡田監督は『火消し役の投手に(先発投手が相手打線に捕まりやすい)6回前後を目処に肩を作らせるブルペン運用』をしている指揮官です。

 阪神はここまで64試合を消化。開幕から火消し役に任命されているであろう加治屋は「現時点で昨年以上の登板準備をしていても不思議ではない」のです。

 (加治屋は2022年は39登板で29.2イニング)

 現に加治屋は6月14日のオリックス戦からの3登板でストレートの質が明らかに悪化しています。

 4日間のオフで復調する可能性は低いため、加治屋に「リフレッシュ休暇を目的にした10日間の抹消」を与えられないブルペン事情は深刻と言わざるを得ないでしょう。

 

「同点の場面で登板する投手のセレクション」を怠ったことも原因

 ブルペン事情を厳しくした理由として、岡田監督が「同点(や接戦)の場面で登板する投手のセレクションをビハインド時に怠っていたこと」も挙げられます。

 岡田監督がビハインド時にしていたのは「(西純矢や浜地など)1軍で結果を残すための投球メカニックなどを模索中の投手に登板機会を与えること」でした。

 その結果、“主に接戦で登板していた投手が登板過多になったり調子を落とした際に入れ替わりの候補となる投手” が1軍のブルペン陣には見当たらない事態に見舞われたのです。

 「勝ちパターンの投手に求められる要件を満たす投球をしてるのは誰か」というセレクションが行われていないのですから、セットアッパー陣に “信頼できる投手” が補充されないのは必然です。

 岡田監督の方針に基づくブルペン運用によって生じた結果であり、アプローチを変えなければ「不安が残るブルペン陣」という弱点を抱えたままでの戦いを余儀なくされることでしょう。

 

 岩貞が首を痛めて抹消した後に『左の火消し役』に指名されたと思われる及川は登板準備過多でクロスファイアー(やスライダー)が投げ切れずに打ち込まれて抹消となりました。

 リーグ再開後は島本が『左の火消し役』に指名されて「登板準備過多による疲労」と戦うことを強いられるでしょう。特定の投手に負担がかかる現状の起用方法が良いとは思えません。