先発・村上は大乱調だったが、岡田監督はシーズン全体を見据えた的確な采配を継続中

 3月19日に行われたソフトバンク対阪神のオープン戦は4回終了時で 7-2 と勝負の行方が決まったも同然でしたが、最終的には阪神が 10-9 で制しました。

 岡田監督が取材拒否中で采配の真意は不明ですが、判断のタイミングは『公式戦モード』で「期待の若手には復調の期待を与える」という起用に終始しています。

  • 4回表:2死1塁で9番の熊谷に代打ミエセス
  • 5回表:1死1・3塁で4番の大山に代打小野寺
  • 7回表:無死1塁からの2球目で佐藤輝が盗塁
  • 7回表:2死1・2塁で9番ミエセスに代打糸原
  • 8回表:1死2・3塁で坂本誠志郎の1球目にセーフティースクイズ(※ 投球がボールだったので結果的に構えだけ)

 監督として開幕に必要な準備をしていると言えるでしょう。

 

 19日のオープン戦で岡田監督が最初に動いたのは4回表。シーズン中なら投手が打席に入るタイミングで「代打ミエセス」を送りました。先発の村上は3回5失点。先発投手を諦める妥当な采配です。

 7-2 と突き放された5回表は “1死1・3塁のチャンスで” 4番の大山に打順が回ってきたのですが、岡田監督は「代打小野寺」を選択。個人的にこの采配は高く評価したいです。

 (引っ張る形での)長打力アップに注力した小野寺は現状では打撃不振。その小野寺を『一・二塁間を破る打球が求められる場面』で起用し、昨季に評価を高めたバッティングの形を復活させようとする思惑があったように感じたからです。

 7回表は佐藤輝がホークスのクローザーを務めるオスナから出塁すると、続くノイジーの2球目に盗塁を敢行。岡田監督が要求する『盗塁』でチャンスを拡大しました。

 それで得たチャンスに糸原と前川が期待に応えて結果を残しています。岡田監督は “仕上がり” に一定の評価を与えることでしょう。

 また、8回表には1死2・3塁で打席が回ってきた坂本誠志郎が1球目にセーフティースクイズの構えを見せています。昨季にも見られた作戦ですし、目指す形は「2023年シーズンのチーム打撃」になると思います。

 

 野手陣の中で心配なのは中野でしょう。バッティング内容があまりに悪すぎますし、2番など上位で起用できる状態ではありません。

 極度の打撃不振が守備に影響する可能性もあることから、監督・コーチ陣などによるサポートで底を脱した状態で開幕シリーズを迎えられるかが鍵になると思います。