4月29日のヤクルト戦は「温存」が前提なら、石井大智の回跨ぎ起用は妥当

 4月28日に神宮球場で行われたヤクルト対阪神戦(4回戦)は先発・大竹を5回73球で降板させて継投策を選択した阪神が 4-0 で3連戦の初戦を制しました。

 大竹の出来は悪かったですし、早めの継投を選択した岡田監督の采配は「的確」と言えるでしょう。

 ただ、2番手で登板した石井大智に2イニングを投げさせたことは翌29日の登板に響く可能性があります。「29日は温存が前提か」が注目点になります。

 

大竹の5回での降板は妥当

 岡田監督は「ヤクルト打線のタイミングが合い始めていた」と早めの継投策に踏み切った理由を語っています。

 4月28日の大竹は変化球の制球に苦しみ、コースを狙ったボールが真ん中付近に行ったり、抜け球が出たりと「悪い投球内容」でした。

 山田とサンタナには第2打席で【芯で捉えた当たり】を許していましたし、「山田とサンタナに第3打席が回った段階で継投に入る」という判断は妥当です。

 それが28日の試合では『6回裏の頭』でした。

 勝ち投手の権利が懸かった5回裏で山田やサンタナの第3打席が回ってくる試合展開だった場合に「岡田監督が『先発投手の勝ち投手の権利』と『チームの勝利』のどちらを優先した采配をするのか」が今後の注目点でしょう。

 

石井大智の回跨ぎは29日の試合に尾を引く可能性がある

 28日の試合で継投策を始めたタイミングは「妥当」ですが、石井大智を回跨ぎさせた起用方法は29日の試合に尾を引く可能性があります。30球近くの投球数で連投が難しくなるからです。

表: 中継ぎ陣の投球数(4/24-4/30)
中日戦 巨人戦 ヤクルト戦
4/21 4/22 4/23 4/24 4/25 4/26 4/27 4/28 4/29 4/30
青柳 村上 才木 オフ 中止 西勇 伊藤将 大竹 村上
岩崎     19     11
岩貞     10 19    
及川 32     24    
K・ケラー       10   11
富田 20          
加治屋 12     10    
湯浅 抹消 抹消 抹消
石井     17     24
ビーズリー 17     14    

 直近1週間で石井大智の登板期間がほとんどなかったことは事実です。

 ただ、接戦が予想されるヤクルトとの3連戦では「勝ちパターンの投手による連投」はおそらく不可避でしょう。そのため、計算が立つ投手を1枚削ったことで生じる弊害は軽視できません。

 29日のヤクルト戦で「同点の9回裏や延長戦で石井大智を起用」するのは問題ありません。「通常の勝ちパターンでの起用」などそれ以外の局面で登板させるのは起用方法に問題があります。

 この場合は「28日のヤクルト戦(4回戦)の7回裏は加治屋に託す」という定石を打たなかったことが批判の根拠になるからです。

 

 29日に先発する村上頌樹が長いイニングを投げ切って石井を休ませると、岡田監督の石井を回跨ぎさせた投手起用は「先を見越した抜群のコンディション調整」とマスコミが持ち上げることになると思います。