富田蓮の先発調整は良い取り組み

 2022年のドラフト6位指名で阪神に加わった富田蓮が先発調整を理由に1軍登録を5月7日付で抹消されました。

 「富田が1軍の先発投手として通用するか」は先発起用をしないことには分からない部分もあります。

 富田自身が先発を希望していましたし、シーズン全体を見据えると「先発調整は良い取り組み」と言えるはずです。

 「富田が先発投手としてどのような投球を見せるのか」が今後の注目点になるでしょう。

 

「1軍の試合で6回を投げ切れるか」は実際に先発させないと分からない

 富田が『1軍の戦力』であることは「3月と4月に中継ぎ投手として結果を残した事実」が物語っています。ただ、富田自身が希望する先発投手として “1軍で” 結果を残せるかは未知数な部分があります。

  • 100球前後で投球内容が急激に悪化しないか
  • 3順目を迎えた相手打線に対応されていないか

 先発投手として勝ち投手の権利を得るには「ある程度の球数を投げる」や「同じ打者の複数回対戦する」などの状況でも抑えることが求められます。

 そのために必要な能力を富田が有しているかを確認するには「1軍で先発起用をする」ことが欠かせないため、中継ぎ陣が計算できるタイミングで富田に先発調整を求めるのは良い取り組みと言えるでしょう。

 

第2先発として結果を残した富田は『1軍での居場所』は確立済み

 制球力が良い富田は現時点で『1軍での居場所』を確立済みです。

 “第2先発として登板して(イニングを跨ぐことを苦にせず)6回まで投げ切れる能力のある投手” は岡田監督が求める「中継ぎでの勝利」を呼び込む存在になり得るでしょう。

 また、延長戦での回跨ぎを託せるだけの力を1軍で示していることも強みです。

 富田が「先発投手として上手く試合を作ることができる」と証明すれば、伊藤将司や大竹が調子を落とした際に『富田との入れ替え』が選択肢になります。

 厚みのある先発投手陣は長丁場のペナントで結果を残すために欠かせません。富田が先発投手としても結果を残してくれることに期待したいと思います。