【待球による四球狙い】が対戦相手に看破されて貧打に陥ったことに業を煮やした岡田監督が4月18日の広島戦を前に「積極的に仕掛けろ」との指示を出しています。
問題は「相手チームの対応を “後追い” するのではく “先読み” しろ」と言っていることです。
対戦相手は【阪神が採っているチーム方針】への対策を講じるため、【相手チームの対策】を “先読み” したアプローチは「岡田監督が自チームに求める方針への造反行為」に該当します。
造反行為を平然とできる選手は極めて例外的であり、岡田監督の(マスコミを通した)アドバイスを真に受ける選手はバッティングの調子を崩すことになるでしょう。
スコアラーや打撃コーチ陣に言うべき不満
2023年の阪神打撃陣のチームアプローチは以下の変遷を辿っています。
- 2022年の矢野阪神は「1球目から積極的に振る打線」
- ボールになる誘い球を振って相手投手を助けることも
- 岡田監督は【待球による四球狙い】に方針転換
- 開幕カードの DeNA 戦では作戦的中
- 3カード目のヤクルト戦からは「四球狙いで消極的」と看破されて貧打に
- 6カード目の広島戦を前に「積極的に振れよ」と岡田監督が不満を述べる
「どんどんストライク来てるやん」との指摘は “チーム内で” 先に行われていなければなりません。
先週(4月10日〜16日)までにスコアラーや打撃コーチ陣に「どんどんストライクが来てる(けど対策はどうすんねん)」と指摘し、その後に選手にも「攻め方が変わっていることに対応せんとあかんで」と注文を付ける必要があります。
これらをやらずに17日にの時点でマスコミを通して『待つな指令』を出すのは監督として無能です。監督自身が結果論に基づく最適アプローチを “後追い” しているからです。
選手に “造反に該当する行為” を求めても効果は期待できない
次に、岡田監督が選手に求めた【相手チームの対策を先読みしたアプローチ】は「岡田監督が自チームに期待する方針への造反」という側面があります。
- チーム方針: 四球を念頭に置いた待球
- 甘いカウント球を見逃す → チーム方針に忠実
- 甘いカウント球を打つ → チーム方針への造反(※ 先読みも含まれる)
- 安打 → 造反有理
- 凡退 → 立場悪化のリスク
「 “巨人戦や DeNA 戦でファーストストライクをミスショットした打者” を岡田監督が擁護したか」という話です。
今後はチーム方針が【初球から積極的に振れ】に変更されますから、“ボールになる誘い球で凡打に終わった打者” や “3ボール2ストライクから見逃し三振に倒れた打者” のアプローチに岡田監督が理解を示すかが注目点です。
「なんで打者有利のカウントでボール球を振るんかね」や「3ボール2ストライクで際どいコースに手を出さんのはあかんやろ」などの文句が先にマスコミ経由で出るようだとチームの雰囲気は悪化するだけでしょう。
打者ごとに【積極型】と【待球型】のアプローチを変えるべき
阪神の野手陣はチーム戦術に従う素直な選手が多いため、選手ごとにアプローチを変えるべきでしょう。
- 選手に一任: 近本、大山、糸原
- 待球型: ノイジー、木浪
- 積極型: 森下、渡邉諒、井上
- コースと球種を絞る: 佐藤輝
- 出塁率と得点数を意識: 中野
待球型のアプローチで開幕から結果を出しているノイジーと木浪に「初球から積極的に振れ」の指示は逆効果です。両選手ともに18日の広島戦は「これまでだと見逃していたボール球」にまで手を出していたからです。
例外は佐藤輝と中野の2人。
佐藤輝は「どのカウントから打っても良い」のですが、コースと球種を限定して “見逃すべきボール” を明確にすべきです。そうすることで相手に怖さを与えることができ、佐藤輝が優位な立場になるからです。
中野には『出塁率』を期待したのですから、四球でもヒットでも出塁して中軸打者の打点で本塁生還を果たしてくれれば文句はないはずです。
甘いカウント球の見逃しが続いているなら「ストライクを取りに来てるから積極的にな」と助言し、難しいボールにまで手を出しすぎているなら「四球で出塁しても良いんやで」と “岡田監督が” アドバイスできるかがポイントでしょう。
後追い采配は素人にもできるのですから。