2023年のプロ野球は開幕から5カードを消化し、各チームの傾向が見えつつあります。
岡田監督が復帰した阪神は「四球狙いと送りバント」が打線の傾向として示されている状況です。ただ、得点力が2022年の1試合平均よりも悪化しています。
【対策の対策】を講じることができなければ、昨年よりも貧打に悩むことになるでしょう。
四球とバントの増加と引き換えで得点と塁打が低下
2023年4月16日時点でのチーム打撃成績と2022年シーズンの成績を比較したものが以下のグラフです。
一部の解説者や評論家が「岡田監督になって打線が良くなった」と主張していますが、データは真逆の現実を示しています。
(2023年は13試合を消化して37得点だが、2022年は13試合を消化して38得点だった)
【1試合あたりの得点数】は2022年の数値を下回り、長打率の計算で用いる【塁打数】も下がっています。増えたのは【四死球】と【犠打】です。
この方針を続けても打ち勝つ試合は増えないでしょう。
リーグ平均と比較しても「昨年よりも打ててない」
ちなみにセ・リーグ6球団での平均と比較すると以下のようになります。
2023年はヤクルト打線が絶不調でリーグ平均値を大きく下げていますが、その状況でも阪神打線に元気がないことは事実です。
今後は各球団とも【岡田野球への対策】を採り入れてくるでしょう。DeNA との開幕カードは「矢野監督の方針とは真逆」だったことが3連勝となりました。
【対策の対策】を講じることができなければ、貧打で借金生活に陥ることは時間の問題と思われます。
「四球狙い」の岡田阪神には誘い球を投げずにストライク2球で追い込めば良い
昨年まで阪神を率いた矢野監督の打撃方針は以下のものでした。
- 打てる球の “初球だけ” かもしれない
- 1球目(の甘いカウント球)を仕留める気持ちで打席に入ろう
- 失敗しても落ち込むな
- 「お前やったら打てる」と思って送り出してるんやから
この方針だと相手チームは初球に「ボールになっても良い誘い球」を選択するでしょう。阪神の各打者が相手投手を助けてくれるからです。
一方で「初球のボール球に手を出していた2022年の阪神打線」を歯がゆく見ていた岡田監督は【待球】を徹底させるアプローチを採りました。
岡田監督のアプローチは「制球難の投手」と「誘い球がボールになってしまう投手」には効果的ですが、「待球作戦を見透かして大胆なリードをする捕手」との相性は最悪です。
しかも、2023年の阪神打線は「リーグ最下位だった2022年のチームより長打力はない」のです。
対戦相手は「データ的に長打のリスクはないからキャッチャーのミットを目がけて思い切って腕を振れ」と投手陣を勇気付けるでしょう。
岡田監督が【対策の対策】を講じることができるかが鍵だと思います。