虎キラー・吉村貢司郎に3度目の打線沈黙となった岡田阪神、2週間後の神宮での再戦に不安を残す完封負け

 5月9日に行われた阪神対ヤクルトの7回戦はサンタナのホームランが決勝打となり、ヤクルトに軍配が上がりました。

 岡田監督の采配も不味かったですし、2週間後には神宮でヤクルトとの3連戦が控えています。今後に尾を引く試合になったと言わざるを得ないでしょう。

 

早打ちで『吉村の立ち上がり』を攻めようとするも裏目に出る

 阪神はヤクルトのドラフト1位ルーキー・吉村貢司郎とオープン戦を含めて5月9日の試合前までに3度対戦していますが、攻略することができていません。

表:吉村貢司郎との対戦成績
投球回
(球数)
失点 被安打 与四死球
3月19日
【オープン戦】
5回
(76球)
0 3 1
4月9日
【3回戦】
5回
(91球)
1 4 3
4月30日
【6回戦】
6回
(97球)
1 2 3

 9日の7回戦では「ファーストストライクの速球を仕留める」という『早打ち』をチームとして徹底して臨むも “凡打の山” を築く結果となりました。

 過去3度の対戦で「四球が絡まないとチャンスすら作れない現実」と「1つの四球が連続四球の呼び水となっていた立ち上がりの出来」を踏まえると『早打ち』が適切だったのかは疑問が残ります。

 

9回裏無死2塁で代走・植田を送った後の采配

 また、9回裏に見せた岡田監督の采配への疑問符も付くことになるでしょう。

 レフト線へのツーベースを放った先頭打者の佐藤輝に岡田監督は『代走・植田』を送ります。6番・ミエセスの右打ちで1死3塁となったのですが、ここで『代打・渡邉諒』のカードを切ったことが問題です。

  1. 渡邉諒で「犠飛」
  2. ミート率の高い糸原で「当たり GO」
  3. バント成功率の高い坂本誠志郎で「スクイズ」

 佐藤輝は「定位置への外野フライで本塁生還が可能」な選手ですから、その選手を下げてまで代走を起用したからには “足を絡めた攻撃” で1点を捥ぎ取らなければなりません。

 しかし、岡田監督にその考えはなかった模様です。9回裏に打席が回ってくる坂本誠志郎が全く準備をしていなかったからです。

 

 2週間後の再戦で同じ失敗を繰り返さないように岡田監督が “名将” としての手腕を見せることができるのかが鍵になると思われます。