寸評: 2023年プロ野球開幕戦・阪神対DeNA

 2023年プロ野球開幕戦・阪神 6-3 DeNA の寸評。

 先制して中押しに成功し、終始リードを保ち続けた打線の活躍が光った試合でした。ブルペン陣は盤石の内容とは言えませんが、勝利を手にしたことで2試合目以降に硬さが取れた投球をしてくれることに期待です。

 

打撃陣

 2回裏に大山と佐藤輝が “外角に投げ切られた難しいボール” をコースに逆らわずに上手く打ち返して【無死2・3塁】の絶好機を作ったことが DeNA の先発・石田の投球リズムを崩しました。

 あのコースに投げ切っていれば、少なくとも1人はアウトにできたはずです。それが【無死2・3塁】のピンチに直面したことで1回裏に披露していた大胆な投球ができなくなりました。

 そうさせた大山と佐藤輝の貢献は高く評価されるべきでしょう。

 

投手陣

 青柳は左打者へのアウトコースへの制球が良く、投手有利のカウントで順調にイニングを消化していました。

 梅野も(岡田監督のアドバイスがあったからと思われますが)高めのストレートを上手く織り交ぜた配球で青柳をリードしていたと思います。

 ブルペン陣は全体的にボールが上擦るなど状態は今ひとつでした。開幕戦の “硬さ” が原因であれば2戦目以降は緊張が解れた状態での投球が期待できます。

 『勝利』が何よりの自信になるでしょう。

 

采配

 この試合で疑問符が付くのは「岡田監督の投手起用」です。先発の青柳を6回2死の場面で岩崎にスイッチを決断しましたが、これは早すぎです。

 “エースの青柳” はその時点で無失点だった訳ですから、神里までは青柳に託すべきでした。

 青柳が神里に打たれていたら、“右打者に強い加治屋” にスイッチして4番の牧と勝負という選択肢もあったからです。

 また、勝ちパターンを担うであろう岩崎を6回に登板させる起用方法が常態化すると中継ぎ陣が持たないでしょう。開幕戦だけの特例起用でなければ「酷使が原因での消耗」で失速してしまう懸念は無視できません。