阪神が髙山や北條など8選手に来季構想外を告げたのは概ね妥当

 阪神タイガースは公式サイトなどで8選手に来季構想外を通告したと発表いたしました。

 対象となった8選手は「概ね妥当」と言えるでしょう。“30歳前後で1軍の戦力として貢献することができなかった選手” に構想外が告げられたからです。

 2023年10月3日時点で阪神タイガースの支配下選手は61選手になりました。

 「 “トミー・ジョン手術を受けたことで2024年シーズンの全休が確定している小川一平” を育成契約に切り替えるための戦力外通知が行われるか」が注目点になるでしょう。

 

4投手に来季構想外が告げられたのは妥当

 来季構想外が告げられた4投手は「予想どおり」と言えるでしょう。

 二保、小林、渡邉雄の3投手は30代。今季はファームで相手打者を圧倒する投球を披露できず、防御率も良くなかったからです。育成の望月は右肩の怪我から復活することは叶いませんでした。

 ただ、「強力な阪神投手陣の中では1軍での登板機会がなかった」と見なされる可能性も残っているため、他球団からの関心が寄せられるかが注目点になると思われます。

 

山本泰寛も来季構想外にして大丈夫か?

 阪神は岡田監督が復帰した2022年は野手陣への構想外を告げておらず、“過去2年分の構想外” が今年に通告されたような形になりました。

表: 阪神野手陣(※ 捕手は除く)
左打ち 右打ち
OF IF IF OF
髙山 糸原 30+ 山本
原口
近本
板山
木浪 29歳
('94年生)
大山
北條
28歳 熊谷
渡邉諒
島田 中野 27歳 植田 髙濱
26歳 豊田
25歳
('98年生)
小野寺
前川 佐藤輝
小幡
遠藤
髙寺
U-24 戸井 森下
井上
井坪
育:野口
助っ人 ノイジー
ミエセス

 ただ、山本泰寛に来季構想外を告げたのは早まった可能性があります。

 ショートは木浪と小幡(23歳)がいますが、セカンドはフル出場をした中野のみ。2019年のドラフト4位で加入した遠藤成(22歳)はファームで打率 .270 (296-80)、OPS .691 と成長曲線を描いていたものの1軍経験はありません。

 中野が離脱した際の『プランB』が全く準備されていない状況であるため、この点は来季の編成上の懸念点になるでしょう。

 

片山雄哉が構想外にならかった理由

 阪神では捕手の片山雄哉が構想外候補として噂されていましたが、片山はチームに残ることになりました。理由は「打率 .288 (163-47) で OPS は .741 と打力を示したから」でしょう。

表: 阪神の1塁手候補の成績(2023年)
1軍 2軍
Ave OPS Ave OPS
大山 悠輔
【28歳・右打ち】
.287
(509-146)
.852
捕:片山 雄哉
【29歳・左打ち】
.288
(163-47)
.741
外:野口 恭佑
【23歳・右打ち】
.303
(198-60)
.785
外:前川 右京
【20歳・左打ち】
.320
(125-40)
.768
捕:中川 勇斗
【19歳・右打ち】
.265
(132-35)
.744

 今季1軍に抜擢された前川のファームでの成績は打率 .320 (125-40) で OPS が .768 でした。

 片山には「第3捕手&左の代打」として1軍の戦力になれる可能性があるため、このタイミングで構想外を告げる必要性はありません。

 捕手陣は「榮枝・藤田・中川の誰が1軍で通用する可能性が高い有望株なのかを見極めるための起用がされていなかった」ことが実情ですし、そこを改善することが喫緊の課題だと思います。