“ストレートの平均球速が 140km/h 台前半で制球の定まらない投手” が2軍で再調整になるのは止む無し

 オープン戦の連敗が続く阪神タイガースですが、中継ぎ投手陣の入れ替えを報じる記事が出ています。

 2軍での再調整が有力視されているのは岩貞、椎葉、浜地の3投手。先頭打者に四球を出したことが理由とされていますが、それだけが理由ではないでしょう。

 いずれの投手もストレートの球速がリーグ平均を下回る状態の悪さを示しているからです。

 

“球速不足かつ制球難の投手” が1軍に残ることは難しい

 プロ野球ではストレートの平均球速が年々上昇しており、NPB の2023年シーズンでは 146.6km/h に達したと報じられています。

 2014年にNPB全投手のストレート平均球速は141.4km/hだったが、これが年を経るごとに右肩上がりに上昇。2023年には146.6km/hにまで到達している。

 ストレートの球速が平均を下回る 140km/h 台前半だと「狙った所に投げ切る制球力」や「打者がタイミングを取りにくい特殊な投球フォーム」などの『武器』が必要です。

 2軍での再調整が伝えられている岩貞・椎葉・浜地の3投手は「平均球速を上回るストレート」を投げれるはずが、オープン戦では『140km/h 台前半のストレート』と『制球難』という状況でした。

 首脳陣が「ファームで『ストレートを磨き直すための時間』を与えた方が良い」と判断するのは当然のことでしょう。

 

球威で押し切れるなら、制球力は多少アバウトでも問題なし

 “ある程度以上の球速と球威を持っている投手” はファールでストライクカウントを稼げるため、制球力は多少アバウトであっても問題にはなりません。

 その代表例が巨人に移籍したカイル・ケラーです。

 打者を制圧できる “強いストレート” があるのですから、コースを狙わせてボールカウントを先行させるのは愚行。

 「ホームベース上のストレート」を要求してストライクカウントを稼ぎ、スプリットやカーブを混ぜれば効率的にアウトを稼げるからです。

 

 岡田監督の再就任1年目となった2023年シーズンも投手陣はボールが全体的に上擦る傾向にありました。

 「この時期は高めのストレートだけを投げといたら良いんや」との『岡田監督の調整方針』が(悪い方向に)色濃く出ることも十分に考えられるため、監督・コーチ陣による指導方針にも留意する必要はあると思います。