阪神の及川が先発に挑戦するとスポニチが報じています。
桐敷や及川は「長いイニングを投げれるポテンシャルを持った若手投手」ですから、先発投手に挑戦させることは大賛成です。
ただ、及川に関しては先発投手として結果を残すために有効な球種は『カットボール』ではなく『チェンジアップ』だと思います。
ストレートの球質的に『ツーシーム』は合わないのでは?
及川の武器は『横の角度』。左打者のアウトコースに投げ込まれたストレートは『横の角度』があるため、対左打者を封じ込めることで結果を残しています。
ストレートの球質は『回転数が多くて回転効率は良好』が特徴です。
このタイプの投手は一般的に『回転数を意図的に少なくする球種』を勝負球として操ることは得意ではありません。
したがって、及川が2023年シーズンに『ツーシーム』の扱いに苦労したことは驚きではないでしょう。
『スイーパー系のチェンジアップ』に活路を求める価値はある
2023年シーズンの及川は対左打者は被打率 .162 (72-12) でしたが、対右打者には被打率 .296 (54-16) と『横の角度』が武器として通用せずに苦戦しました。
1軍の舞台で先発・及川と対戦する相手チームは「右打者を並べるオーダー」を組むでしょう。
だから、ストレート(やスライダー)とは逆方向の軌道を描く『落ちる球』を習得しておく必要があるのです。
その候補として推薦したいのは巨人の内海コーチが現役時代に投げていた『(スイーパー系の)チェンジアップ』です。
『スイーパー系のチェンジアップ』は “抜く系の球種” ではないため、「回転数が多いこと」は弊害にはなりません。“回転数の多いストレートが特長の及川” が習得を試みる価値はあると思います。