ドライブラインでのスイング解析で「現在地の確認」と「課題の洗い出し」を行なって成長を試みる佐藤輝明の姿勢は素晴らしい

 佐藤輝明がハワイへの優勝旅行を一足先に切り上げ、アメリカ・シアトルにある『ドライブライン』の訪問に向かったと日刊スポーツなど各マスコミが報じています。

 『ドライブライン』は「多数のカメラを用いたモーション解析」を行い、これまでに蓄積された一流選手のデータを基に「選手個々に合わせた動作の修正およびトレーニング方法の提言」を行っている企業です。

 実力の現在地が数値として示されるため、成長を志す上での良い取り組みだと言えるでしょう。

 

直近の成功例はファイターズの万波

 ドジャースに加入した大谷が利用していることでも知られている『ドライブライン』ですが、NPB でも利用している選手は複数います。その1人がファイターズの万波です。

 2022年シーズンの万波は対ストレート打率が悪いことがデータで示されていました。その原因は万波自身が語っているように「右肩が下がってバットが下から出続けたから」でしょう。

 『ドライブライン』で測定したデータ解析でも同じ結果が示され、本人もその結果を(数値データの形で)再認識。

 『ドライブラインで提案された修正およびトレーニング方法』に取り組んだ結果が実り、2023年シーズンの飛躍に繋がったものと思われます。

 それだけに佐藤輝明も『ドライブライン』を訪問する動機は大いにあると言えるでしょう。

 

「現在地の確認」と「課題の洗い出し」を行うだけでも価値がある

 『ドライブラインで提案された課題修正方法やトレーニング方法』が即座に効果を発揮してくれることが理想です。しかし、実戦の場で思うような効果が得られなかったとしても価値はあります。

 2023年シーズンの佐藤輝明は “夏場に当初とは形状が大きく異なる森下翔太のバット” を使い始めました。

 シーズン開幕前とシーズン終了後でバッティングフォームは大きく変わっているはずですし、「 “夏場に良い手応えがあったバッティングフォーム” はデータ的にどうなのか」をデータ化しておくだけでも意味はあります。

 その時のバッティングフォームは『今後の出発点』になりますし、『課題の洗い出し』はさらなる成長に向けた練習内容を絞り込む重要な要素になるからです。

 ドライブラインでのデータ解析と提案されたトレーニングが佐藤輝明にとって有益なものになって欲しいと思います。