「日本シリーズ第2戦の先発を託した西勇輝に容認したビハインドは何点だったのか」を岡田監督に質問すべき

 2023年の日本シリーズ第1戦と第2戦は思わぬワンサイドゲームで1勝1敗となりました。

 敗因は両チームともに「先発投手があと1つのアウトを取ることに急ぎすぎたことで集中打を浴びて(打線による挽回が極めて困難な)大差が付いたこと」です。

 2戦目に大敗を喫した阪神は「先発・西勇輝を見切るタイミング」をベンチが逸したと言わざるを得ません。

 記者団は「何点のビハインドまで容認」だったのかを岡田監督に問うべきでしょう。

 

野口に追加点のタイムリーを許した時が継投のタイミングだったのでは?

 阪神ベンチが先発・西勇輝に見切りを付けるべきだったのは「4回裏2死1・3塁から野口に追加点となるタイムリーを許して 2-0 と2点ビハインドになった時」でしょう。

 そうすべき理由があったからです。

  • 3回裏に続き、安藤コーチがマウンドに行った直後の打者にタイムリーを許す
  • ビハインドが2点に拡大し、なおも2死1・3塁のピンチ
  • 打者の廣岡は西勇輝との相性が良く、第1打席でヒットを打っている
  • 阪神は第2先発としてビーズリーがスタンバイ

 接戦で後半勝負に持ち込むのであれば、9番・廣岡と1番・中川の “右打者が2人続く打順” で「右打者に強い加治屋」に賭けるべきでした。

 先発投手が早いイニングで降板した時のために “第2先発” を中継ぎ待機させていたのです。記者団は「なぜ西勇輝を続投させたのか」と岡田監督に問い質さなければならないでしょう。

 

西勇輝と一蓮托生する覚悟がない中での『続投』は愚策

 もちろん、後半戦を良い形で終えた西勇輝を『続投』させる選択肢はあります。

 ただし、その場合は「西勇輝と一蓮托生すること」が条件です。第1戦でのオリックスは『チームの絶対的エースの山本由伸との一蓮托生』と選択し、結果的に大敗を喫しました。

 それでも山本由伸が6回途中まで投げたことでオリックスのブルペン陣は「1イニング・25球以内」で初登板を終えており、第2戦以降の登板に向けた状態の見極めに活用していたと言えるでしょう。

 阪神の第2戦での継投策は中途半端でした。

 短期決戦で継投の遅れは致命的になりますし、岡田監督が「あわよくば」の姿勢で臨むようであれば後手に回ったことでの敗戦は避けられないと思います。