甲子園での2023年レギュラーシーズン最終戦に先発して5回5失点だった富田蓮は「1軍での洗い出しができた試合」と言えるでしょう。
昨年のドラフト6位で入団した富田は高卒社会人投手。西純矢や及川と同学年で進学していれば大学4年生の年齢です。
その年齢の投手が「1軍での課題」を持っているのは当たり前です。収穫点は評価されるべきですし、課題を1つずつ潰して行くことが来季以降のテーマになるでしょう。
プロ2度目の先発を終えた富田が得た収穫
プロ2度目の先発登板を終えた富田蓮が得た収穫は「膝下の高さに投げ続ければイニングを簡単に消化できる」という結果(と実績)です。
9月27日の中日戦(25回戦)で打たれたのは「ベルト付近の高さに打たれたボール」でした。
富田の “伸びのあるストレート” はスピードガン以上の球速を感じさせますし、ナックルカーブやスライダーなどブレーキの効いた変化球もあります。
したがって、「膝下の高さに『ストレート』や『曲がり球』を根気強く投げられるか」が先発投手として結果を残すための条件になるでしょう。
低めにボールが集まっていた3回や4回は簡単にアウトを積み重ねることができていたからです。
プロ2度目の先発を終えた富田に突き付けられた課題
一方で富田に突き付けられた課題は「『普段の投球フォーム』でボールが上ずった際の修正方法の確立」でしょう。
中継ぎ起用の場合は短いイニングでの起用が前提になっているため、ボールが上ずったことへの修正に苦戦しているのであれば『継投』で事態が悪化する前にスイッチすることが可能です。
しかし、先発起用の場合は「ある程度のイニングを消化すること」が前提であるため、投手自身が『その日の調子に合わせてマウンド上で微調整する方法』を確立させておく必要があります。
「そのための引き出しを増やせるか」が富田が1軍に欠かせない戦力となるためのポイントになるでしょう。