西純矢の中継ぎ配置転換が『配置ガチャ』なら不調の期間が長くなるだけ

 岡田監督が西純矢を中継ぎで起用する考えだと日刊スポーツなどが報じています。

 西純矢が先発した4試合で結果が伴わなかったことは事実です。しかし、今シーズンは “オープン戦も含めて” 打ち込まれた試合でバッテリーを組んだのは全て梅野でした。

 一方で坂本誠志郎と組んだ試合では4回・被安打1で無失点と好投しています。

 「打ち込まれている原因の特定と対処」に本腰を入れずに中継ぎへの配置転換で “きっかけ” を掴ませようとしているのであれば、状態の良さが長続きすることは期待できないでしょう。

 

西純矢と坂本誠志郎を組ませられない事情でもあるのか

 西純矢の不調は「岡田監督の起用方法」も少なからず影響しているでしょう。

表:西純矢の登板成績
投球回
(球数)
被安打
(与四球)
失点 捕手
3月15日
【D:オープン戦】
4回
(69球)
1
(0)
0 坂本
3月22日
【巨:オープン戦】
5回
(90球)
10
(2)
5 梅野
4月6日
【広島:2回戦】
5回
(71球)
6
(0)
3
4月13日
【巨人:3回戦】
6回
(90球)
9
(1)
1
4月20日
【広島:5回戦】
3.1回
(80球)
6
(3)
5
5月14日
【De:8回戦】
5回
(80球)
11
(1)
4

 西純矢は3月15日の DeNA 戦でオープン戦初登板。坂本誠志郎とのバッテリーで4回65球の被安打1と好投しました。

 その1週間後の3月22日に正捕手・梅野と組んで巨人戦に臨むも5回90球で被安打10と打ち込まれます。

 シーズン開幕後は「1イニングに被安打1」のペースで打たれ、直近の2先発では「1イニングに被安打2」とボロボロです。

 「西純矢を今年のオープン戦で上手くリードした坂本誠志郎と組ませる」という選択肢は存在すべきですし、坂本誠志郎から『打たれた理由のフィードバックと改善点の指摘をさせた上でファームでの先発再調整』も可能だったはずです。

 こうした対策を講じなかった岡田監督を始めとするベンチの判断は支持できるものではありません。

 

中継ぎでどんどん投げさすと “疲弊しつつある及川” の二の舞になるのでは?

 岡田監督は安藤コーチや福原コーチの現役時代のように「中継ぎでどんどん登板させることで西純矢は復調する」と思っている節があります。

 しかし、その起用方法をされている(西純矢と同期の)及川が疲弊しつつある状況なのが懸念点です。

表:及川の登板成績
投球回
(球数)
被安打
(与四死球)
失点 捕手
4月20日
【広島:5回戦】
1回
(17球)
0
(1)
0 梅野
4月21日
【中日:1回戦】
2回
(32球)
0
(1)
0
4月26日
【巨人:1回戦】
2回
(24球)
1
(0)
0
4月30日
【ヤクルト:6回戦】
1.2回
(44球)
2
(2)
1
5月2日
【中日:4回戦】
1回
(13球)
0
(0)
0
5月4日
【中日:6回戦】
1回
(9球)
0
(0)
0 坂本
5月10日
【ヤクルト:8回戦】
1回
(18球)
1
(0)
0 梅野
5月14日
【DeNA:8回戦】
1.1回
(25球)
2
(2)
1

 ファームで先発調整をしていた及川が湯浅の離脱に伴って急遽中継ぎに配置転換され、1軍昇格後の1週間は圧倒的なピッチングを披露しました。

 ただ、ゴールデンウィークに入った頃合いから “打力のあるチーム” との対戦で球数を要するなど対応され始めているのです。

 「全力でドーン」が通用するのは初対戦の時だけ。相手は2回目以降の対戦では『前回対戦で得た経験を活かした対策』を採ってくる訳ですから、“配置転換ガチャ” だとメッキが剥がれるのは時間の問題でしょう。

 

 先発投手が打たれたことを理由に中継ぎへの配置転換を安易に行って投手陣がボロボロになっているのが原監督の巨人です。その失敗を岡田監督もやろうとしているのですから失笑を買ってもおかしくありません。