阪神が横浜スタジアムでの連敗を13で止めました。
この試合ではベイスターズが4失策を記録したことで「守備力の差」がクローズアップされていますが、最大のミスは「三浦監督の継投ミス」でしょう。
1点リードの8回表に “右打者の被打率が3割の伊勢” を投入したからです。グラウンドでミスが誘発する要因を作った采配が致命的だったことは否めません。
2023年の伊勢は右打者を苦手にしている
まず、ベイスターズのセットアッパーを務める伊勢は右打者に苦しんでいます。
どのぐらいかと言いますと、“中日新聞が” 署名記事で立浪監督の采配批判を展開するぐらいです。
決定的なのが伊勢のデータである。右打者の被打率2割8分1厘(64打数18安打、10四球)に対して、左には1割9分4厘(62打数12安打、2四球)。この1割もの差は、変化球ではなく自慢のストレートでついている。球種別で何と右が3割1分6厘、左は1割2分9厘…。
この数字は7月25日時点のもの。
8月4日の試合前で右打者の被打率は3割にまで “悪化” していました。“状態の芳しくない伊勢” を投入するにはリスキーだったのはデータからも明らかです。
3番・森下から右打者が並ぶ阪神打線に “右打者を苦手にする伊勢” を投入
ベイスターズが1点リードで迎えた8回表の阪神の攻撃は「3番・森下から始まる攻撃」でした。
- 右・森下(R)
- 一・大山(R)
- 三・佐藤輝(L)
- 左・ノイジー(R)
- 捕・坂本(R)
岡田監督も「右投手には左打者の方が打てる」とデータを見ずに先入観で安易に考える『左右病』なのですが、左の代打が糸原しかいない事情もあって「代打を出したくても出せない打順」だったのです。
そこにベイスターズの三浦監督は “今季の右打者への被打率が試合前で3割だった伊勢” を投入。「同点に追い付く絶好のチャンス」が思わぬ形で訪れた阪神は一気に逆転に成功しました。
8回表が「8番の木浪から始まる攻撃」であったなら、伊勢の投入は間違いではなかったでしょう。木浪、近本、中野と “伊勢が得意とする左打者” が並ぶ打順だったからです。
4日の試合では8回表に “右打者へのシーズン被打率が .259 (58-15) の山崎康晃” や “7・8月の被打率が1割のエスコバー” を信頼して起用していた方がベイスターズにとっての良い結果が訪れていたかもしれません。