オープン戦での打撃成績が芳しくない大山と佐藤輝の起用方法をマスコミから問われた岡田監督が逆質問をしています。
前任者である矢野監督の起用方法を(事あるごとに評論家の立場から)否定し、「固定する」と宣言してキャンプを過ごしたのは岡田監督なのです。
“結果論に基づく批判” で敗戦の責任を選手に押し付けることはできても『監督が採った方針』まで責任転嫁することはできません。最低限のケジメは付けるべきでしょう。
固定起用が明言されている主力選手は「オープン戦の成績が散々」でも何ら問題はない
3月22日に行われたオープン戦の巨人戦に負けて3連敗となった阪神の岡田監督が固定起用を明言していた大山と佐藤輝への不満を述べています。
ー 就任以来、大山と佐藤輝は固定すると言ってきたが
「それはだから、言うたんやんか、理想よ、そら。2人でクリーンアップ打って引っ張っていくって、ずっと理想やったけど。どう思う?こっちが聞きたいわ」
しかし、岡田監督に “オープン戦での打撃成績が散々な大山と佐藤輝” を批判する資格や権利はありません。彼らは「岡田監督から固定起用が約束された主力選手」だからです。
固定起用が約束されている選手は「シーズン全体での貢献」が唯一の評価項目です。
彼らはオープン戦の成績が絶不調でも開幕時の調子が今ひとつでも何ら問題はありません。「シーズン終了後の最終成績で主力と言える数字が残っていること」が求められているからです。
「そういう方針で行く」と決めたのは岡田監督なのです。状態が上がっていない選手を批判から守らなければなりませんし、監督がマスコミを使って批判をするのは論外です。
もし、方針転換をするのであれば筋を通すべきでしょう。
「固定の方針を貫く」か「方針を変えると明言して前任者への批判を詫びるか」の二者択一
岡田監督に残されている選択肢は2つです。
1つは「大山と佐藤輝を固定する現行方針を貫くこと」です。ただ、現状では大山と佐藤輝の打撃成績は芳しくなく、マスコミからの軽めの批判にさえ岡田監督は不満を隠し切れない有様です。
そのため、もう1つの選択肢である「大山と佐藤輝の固定起用を断念」を採る可能性が現実味を帯びています。
ところが、こちらの選択肢には『矢野監督が採っていたアプローチ』という岡田監督にとっての問題が横たわっているのです。
「評論家時代に『矢野監督の起用方針』を批判してましたよね?」との指摘が出ることは避けられません。不振を理由に『矢野監督の起用方針』に近づくようだと岡田監督への風当たりは強くなる一方でしょう。
“姑息な立ち振る舞い” を批判されることになるからです。
“60代男性の阪神ファン” が結果論を根拠にした選手批判をするのとは意味が違います。
監督がマスコミの前で選手批判をすれば、選手に誹謗中傷を浴びせるファンが発生する呼び水となります。監督自ら「あの選手は叩いても良い」との『お墨付き』を与えているからです。
大山や佐藤輝の打撃フォームに注文を付けたのは岡田監督自身ですし、その責任の一端すら担えないなら口出しせずに黙っていなければなりません。