森下翔太と井上広大の長所と課題

 『右の長距離砲』として期待される森下翔太と井上広大は両選手ともに「1軍で結果を残せるだけの長所とそのための課題があるのが現状」だと思います。

 長所と課題はそれぞれ異なりますし、課題を先に克服した選手がレギュラーの座を掴むことになるでしょう。岡田監督やコーチ陣は「長距離砲の育成」が問われることになるはずです。

 

森下翔太の長所と課題

 森下の長所は「バットを強く振れる身体の強さ」でしょう。大卒1年目のルーキーですが、スイングスピードは1軍の主力選手を凌駕しているように感じさせる鋭さがあります。

 一方で課題は「精度」でしょう。

 スイングスピードは間違いなく速いのですが、ストレートに差し込まれたり、ボールの下をバットが潜る形になって空振りなど『荒さ』が見受けられます。

 狙ったミートポイントでボールを捕らえる確率が高まれば、雑なイメージのある『荒さ』は豪快さを示す『荒々しさ』へと昇華するでしょう。

 微調整が上手く機能するかがポイントだと思います。

 

井上広大の長所と課題

 今年でプロ4年目となる井上は矢野監督から “宿題” が出されていました。

 2022年の井上は「甘めのカウント球を見逃して追い込まれ、難しい勝負球に手を出さざるを得なくなって凡打に終わる」という打席内容だったからです。

 今季のオープン戦では「ファーストストライク(のストレート)を1球で(長打に)仕留める」という成長した姿を見せ、それが現時点での長所となっています。

 その一方で「ストレート待ちなので変化球に脆い」という課題が新たに浮上しました。

 ストレートに対応できる打者が『変化球攻め』に遭うことはプロの世界では避けられません。打者として成長している証でもあるため、ストレートをケアした状態で変化球を上手く捌くことが目標になるでしょう。