プレビュー:2023年・巨人対阪神1回戦〜3回戦

 4月11日から東京ドームで行われる巨人対阪神の3連戦の展望。

 両チームとも「貧打による得点力不足」が喫緊の課題です。巨人は「得点圏にランナーを置いた状態で岡本(や中田)との勝負をさせることができるか」が鍵で、阪神は「得点圏をどれだけ効率的に活かせるか次第」でしょう。

 11日の1回戦で打線が湿ったままだったチームが3連敗を喫する可能性は十分にあると思います。

 

4月11日・1回戦

 11日の1回戦は「巨人の先発・戸郷にどう挑むか」が注目点です。

 昨年の戸郷は阪神戦5試合先発し、39回2/3 で防御率 1.36 を記録。QS 率は 100% でした。

 ストレート:フォーク:スライダーなどの曲がり球を「6:3:1」の割合で投げ込んでくるため、阪神の攻撃陣の “出方” がポイントになるでしょう。

 一方で阪神の先発・西勇輝も昨年は東京ドームでの巨人戦に2試合先発し、15イニングで防御率は 1.80。こちらも QS 率は 100% でした。

 両先発投手が昨年と同様のピッチングをすれば投手戦になるのは不可避です。

 「狭い東京ドームなので一発に警戒」などナーバスな状態にさせてコントロールミスを誘い、失投を逃さずに仕留めることができたチームに軍配が上がると思います。

 

4月12日・2回戦

 12日に予定されている2回戦は「東京ドーム初先発の先発投手が平常心で投げられるか」が鍵でしょう。

 巨人は左腕・メンデスの先発が予想されます。メンデスの武器はカット系の速球とチェンジアップ。右打者よりも左打者を苦にするタイプのサウスポーであり、右打者を並べすぎるとドツボにはまるリスクがあります。

 阪神の先発は村上が予定されています。2年ぶりの先発登板が注目度の高い巨人戦ですから「緊張するな」と言う方が無理があるでしょう。

 ある程度の硬さに襲われることは止むを得ないため、阪神打線が村上を擁護することで緊張感を和らげることができるかがポイントになると思います。

 

4月13日・3回戦

 13日の3回戦は「どちらの若手先発投手が今季初勝利を手にするか」です。

 巨人は左腕・横川の先発が予想されます。1週間前の DeNA 戦では伊藤将司のようなモーション時に右手を上げることで得た反動を活かす新フォームで6回1失点と試合を作りました。

 明確な狙い所が現時点で分かりにくい “実質的には初対戦の左腕投手” ではあるものの、開幕戦で対戦した DeNA の石田へのアプローチを遂行することができれば勝機は十分にあると思われます。

 阪神の先発投手を務める西純矢は「低めへの制球力」が鍵です。

 狭い東京ドームでストレートや変化球が高めに抜けてしまうと本塁打を浴びる確率が飛躍的に高くなってしまいます。

 岡田監督は【高めのストレート】での空振りを期待する言動を残していますが、変化球が抜け球になるリスクを踏まえると積極的に投じるべきではないでしょう。