岡田彰布監督が復帰した阪神タイガースの2023年の展望。
監督交代が行われた2023年の阪神で最大の注目点になるのは「選手の起用方法」でしょう。岡田監督は「選手の役割を固定化するタイプの指揮官」であり、『チーム内競争が起きにくいことの弊害』は無視できないからです。
「思惑どおりに進まない」から監督や首脳陣がいる
シーズンが始まると「岡田監督の指揮に選手が応えていれば勝てた」との擁護の声が出ると思われます。しかし、これは擁護にはなり得ません。
選手が監督の期待したとおりの結果を出すのであれば首脳陣は不要です。
実際には首脳陣の思惑どおりにはなりません。打者や投手が期待された仕事を満足にできない結果に終わってしまうことは珍しくないからです。
そうした状況に見舞われてしまった選手をケアするために監督を始めとする首脳陣がいるのであり、思惑どおりに進まない不満をマスコミの前で文句を言うのは論外です。
負けが続いた時にどのように立ち振る舞うのかで監督としての本性が見えることになるでしょう。
シーズン中のチーム内競争を極力排除することの功罪
また、岡田監督は選手の役割を “開幕前に” 固定する傾向の強い指揮官です。
岡田監督から『レギュラー(や主力)』に指名された選手がシーズン開幕から主力級の貢献を続ければ、不満分子が生じることなくシーズンを乗り切れるでしょう。肩書きが選手を育ててくれることも期待できます。
問題となるのは「 “岡田監督から『主力』の指名を受けた選手” の調子が上がらなかった場合」です。
『実力を示して主力になった場合』と比較して『新監督からの指名で主力になった場合』は不調の期間が長引くほど当該選手への風当たりは強くなります。
チーム内での競争原理が “監督の意向によって” 阻害されているのですから不満分子が生じることは避けられません。主力指名した選手が不振に陥った場合の処遇が重要になると考えられます。
2022年の矢野監督は「(投手陣は計算できるので)少しでも得点力がある打線の組み合わせ」を試行錯誤していました。
岡田監督になっても「健全なチーム内競争」は常に維持されるべきでしょう。どの選手にチャンスを与えるかは監督の裁量ですが、いつまでもチャンスを与え続けることはできないからです。
選手を腐らせてしまうと戦力ダウンに直結するため、選手層のマネジメントも重要になると思います。