“9月以降から調子を落としたままのリーグ優勝に貢献した功労者” を外せるかがポストシーズンの鍵

 セ・リーグはレギュラーシーズンの全日程が終了し、阪神は10月18日からのクライマックスシリーズ・ファイナルステージへの準備を始めることになりました。

 クライマックスシリーズや日本シリーズなどのポストシーズンは4戦先勝の短期決戦。

 “調子を落としたままの選手” を起用し続ける余裕はありません。したがって、リーグ制覇の功労者がスランプ状態に陥っていた際に外す決断ができるかが勝つためのポイントになるでしょう。

 

9月以降の試合で息切れ状態だったリーグ制覇の功労者は少なくない

 9月14日の巨人戦で11連勝でリーグ優勝を決めた阪神ですが、投手および野手の主力選手が “息切れ” を起こしていることは否めません。

  • 野手陣
    • ノイジー: 9月・10月の打率 .197 (71-14)
    • 坂本誠志郎: 9月だけで4併殺(※ 8月までは0併殺)
    • 木浪: 9月・10月の打率 .175 (63-11)
  • 投手陣
    • ブルペン陣: 疲労蓄積でほんとんどの投手不安定な状態

 野手陣はポストシーズンで6番以降に入ると予想される打者が「自動アウト」と揶揄されかねない状態です。

 バットの芯で捉えた打球で打席を終えている近本とは状態が異なるため、上述の3選手は不安要素と見なして『プランB』を準備しておく必要があるはずです。

 また、投手陣に関しては “開幕時からブルペン陣の一角として貢献して来た投手” が軒並み状態を落としていることが不安材料です。

 調子を落としている投手は「リーグ優勝に多大な貢献をしてくれた功労者」であることは事実なのですが、ポストシーズンを勝ち抜くためには現在の状態でマウンドに送り出すことはリスクでしかありません。

 したがって、本調子ではない選手をどのタイミングで見切るのかが問われることになるでしょう。

 

リーグ制覇の功労者と一蓮托生しても良い(。敗退の責任転嫁をしないのであれば)

 もちろん、第1戦や第2戦は(選手個々のコンディションを度外視して)リーグ制覇の功労者を中心に起用する采配も “あり” です。

 その采配が結果に結び付かなかった場合に「リーグ制覇の功労者と言えども不調を理由に外す決断をするのか一蓮托生をするのか」が問われることになるのです。

 チームが勝っていれば、逆シリーズ男が発生しても問題にはなりません。試合結果が思わしくなかった場合に「逆シリーズ男の処遇」が不可避になるだけです。

 短期決戦が難しいのは参戦する全チームに言えることです。岡田監督が苦手とする短期決戦に向けてどのような準備をするのかがポイントになると思います。