18年ぶりにリーグ制覇を果たした阪神タイガースですが、自慢の中継ぎ陣に綻びが生じつつあります。
その1つが浜地の抹消です。“9月15日の広島戦で打ち込まれた浜地” を登録抹消することに異論はありません。
しかし、コンディションに不安を抱えていたなら話は別です。「首脳陣がかけるべきブレーキをかけなかった責任は重い」と言わざるを得ないでしょう。
“肩の状態があまり良くない投手” を登板させた責任は重い
岡田監督の投手起用で問題なのは「選手生命を脅かす負傷が懸念されるコンディションの投手に登板を命じたこと」です。
9月15日の広島戦に登板した浜地に対し、岡田監督は次のようにコメントしていることが根拠です。
岡田監督は試合後「あんまりよくないな、なんか肩の方もあんまりよくないみたいやなあ」とコンディション不良があることを明かし、「抹消すると思うけど。ボールもいってない」と出場選手登録を抹消することを示唆した。
プロ野球選手はシーズン終盤に “何らかの故障” を抱えていることは珍しくありません。
ただ、悪化した場合に「シーズンを一足先に終えることになる故障」と「選手キャリアに大きな影響が出る故障」の間には雲泥の差があります。投手の肩や肘に関する不調は後者に該当するでしょう。
だから、“右肩の状態があまり思わしくない浜地” をマウンドに上げてしまったことは岡田監督(や投手コーチ)の落ち度になるのです。
“今季限りでの現役引退を開幕前に表明した選手” ぐらいしか美談にならない
故障による痛みを隠してプレーすることを美談として報じるマスコミもありますが、それは “今季限りでの現役引退を開幕前に表明した選手” ぐらいしか美談になりません。
選手生命を縮めることで生じる弊害を無視できないからです。
また、選手を「球団の資産」ではなく「消耗品」として粗雑に扱ってしまうとドラフト戦略に影響が生じるでしょう。指名に対して難色を示されるリスクがあるからです。
「選手からの自己申告がないと気づけない」との擁護もあるでしょうが、「コンディションが回復すれば起用してくれるし結果で序列は柔軟に変更してくれる」と選手に安心感を与えらえるかが監督の選手起用方針次第です。
コンディション不良の自己申告をしにくいチームの雰囲気が醸成されている場合の責任は首脳陣にあるのです。
この点に問題が存在するのであれば、監督・コーチ陣は批判にさらされたとしても止むを得ないでしょう。