藤川監督が就任した阪神タイガースは11月17日で2024年の秋季キャンプを終えました。
“復帰した岡田監督” は「過去の采配」が比較対象でしたが、“新人監督の藤川監督” にはそれが存在しません。
したがって、経営などで用いられている『クラウセヴィッツの戦争論』を「球団経営」に置き換えた上で『比較対象の基準』にすることが望ましいと思います。
『球団経営の目的』は黄金期を作ること
『戦争論』では「目的と目標は何か」を明確にすることが求められています。『球団経営における目的』は全球団が「黄金期を作ること」だと言い切るでしょう。
今の時代に「目的は親会社の宣伝」とは口が裂けても言えないからです。
そして、球団経営の目標は「リーグ制覇」。この目標を達成することで「黄金期の扉の前に立ったとの評判を内外から得ることができる」からです。
ただし、球団によって『目標』や『目標達成までの期限』が異なっていることに留意する必要があります。
2025年の阪神タイガースが設定すべき『球団経営の目標』は覇権奪還
2023年シーズンに日本一になった阪神タイガースが掲げるべき『目標』は「覇権奪還」。巨人や DeNA と共に「目標達成の期限は2025年シーズン」となります。
- 2025年シーズンの球団目標
- 巨人: リーグ連覇と日本一
 - 阪神: 覇権奪還
 - DeNA: リーグ制覇と日本シリーズ連覇
 
 
今年のセ・リーグをAクラスで終えた3球団は『2025年シーズンのチーム成績』で「タイトル獲得が偶然の産物ではなかった」と示すことが(戦力的にも)要求されているからです。
したがって、藤川監督への評価基準は「チーム成績を残すための采配ができたか」になるでしょう。
『シーズン戦略の立案・準備・実行・修正』をした経験がない藤川監督
藤川監督への懸念は経験不足。チームが成績を残す上で必要不可欠な『シーズン戦略』に(責任の一翼を担う立場で)携わったことがないからです。
- 2025年シーズンの球団目標は覇権奪還
- 必要な戦力は揃っているか?
- 2023年に日本シリーズを制した戦力の骨格は残存
 - 翌2024年に組織の疲弊と硬直が発生
 
 - 目標を達成するための『シーズン戦略』は?
- どのような『シーズン戦略』で臨むのか?
 - 開幕前までに『シーズン戦略を実行する上で必要となる準備』は大方完了しているのか?
 - 公式戦で『シーズン戦略に基づく試合采配』ができているか?
 - 採用中の『シーズン戦略』に誤算が生じた際に修正を施せているか?
 
 
 - 必要な戦力は揃っているか?
 
藤川監督は囲み取材で「地獄の春キャンプ」を匂わせていましたが、選手が2月のキャンプインにピークを合わせたことで「調子が右肩下がりの状態でシーズンを迎えては本末転倒」です。
前任の岡田監督は『シーズン戦略』を軽視して組織の瓦解を引き起こしているだけに「藤川監督は岡田監督の二の舞を回避できるのか」で評価しても良いでしょう。
復帰した岡田監督も2年目のシーズンが始まる前は「同じ戦力では勝てない」と若手の台頭を期待するコメントを残していたのです。
まずは「シーズン戦略への言及内容を評価」し、「『言動』と『実際の行動』に差異がある場合は『行動』を評価」する形が望ましいと思います。