クライマックスシリーズ・ファーストステージで2連敗を喫した阪神タイガースの2024年シーズンが終了し、岡田監督の退任が決定しました。
一部からは「退任に対する不満や退任を惜しむ声」が出ていますが、発信元には「『岡田イズムの伝道師』として振る舞えなくなる」という共通点があります。
岡田彰布との個人的関係性を背景にした論評は “無用の長物” と化す
阪神タイガースとの2年契約が満了して退団する岡田監督への処遇に対して不満を述べているのは「岡田彰布氏と個人的関係が深い球団 OB ・番記者経験者・タニマチのいずれか」がほとんどです。
岡田監督は選手と直接コミュニケーションが取れない人物。
つまり、“岡田彰布個人と阿吽の呼吸で意思疎通が取れた成功体験を持つ人物” は「『神の言葉』を信者に告げる伝道師」として振る舞える立場にあります。
しかし、その価値が最大化するのは「岡田監督が阪神の監督であること」が前提。肩書きが「前監督」や「元監督」となっては価値が薄れてしまいます。
だから、球団 OB や(現役の番記者に経験歴でマウンティングをしている)60代以上の番記者経験者が岡田退任に対する自らの不満をぶちまける記事を書いているのです。
球団としての阪神タイガースは岡田彰布を全面擁護することはできない
一方で球団としての阪神タイガースは「岡田監督の重要性」は高くありません。続投していた場合は以下の問題が “より深刻になっていた可能性” が否定できないからです。
- 大山や坂本が FA 権を行使
- 契約交渉時の記者会見で球団を揺るがす発言
- 一部の主力選手が「誹謗発言を繰り返す首脳陣やバッシング報道を黙認し続けた球団の姿勢に不満がある」と吐露
- ファームで結果を残した若手選手が「1軍でチャンスを与えられる基準を知りたい」と言及
ちなみに、阪急阪神 HD (の角和夫会長)が最も嫌うシナリオは「佐藤輝明が今オフの契約交渉時に自身の手元にある『ハラスメント問題』の “最も太い導火線” に着火」することです。
「宝塚歌劇団問題で露呈した “ハラスメントに寛容な阪急の目” を阪神タイガースに持ち込んだ張本人」と問題を蒸し返されてしまうと角会長の社会的生命が本当に終わりかねません。
球団も「特定の選手がマスコミからバッシングされている間」は『黙認の姿勢』を続けますが、「批判(やバッシング)の矛先が球団に向かう」となれば態度を一変させることでしょう。
岡田前監督が球団フロント内の要職に就いた後に「デイリースポーツの発行元である神戸新聞の現社長も早稲田大学の評議員でしたね」との “二の矢” を放たれて踏み絵を迫られる事態も球団的には困るからです。
岡田イズムの伝道師が異口同音に「岡田が阪神を嫌いになるような球団側の対応が問題」と言ったところで「主力選手が岡田阪神でのプレーは嫌」となった方がダメージは深刻なのです。
岡田監督の短所は反面教師とし、盲目的にすべてを引き継ごうとしないことが後任の藤川監督にとって重要になると思います。