4月9日から甲子園で予定されている阪神対広島3連戦の展望

 2024年シーズンでの初対戦となる阪神対広島は「打線の出来」が鍵になるでしょう。両チームともに貧打に悩んでいるからです。

 阪神としては広島との3連戦に勝ち越して勝率5割以上で5カード目の中日との3連戦を迎えたいところです。逆に負け越すと『Bクラス』が指定席になる可能性が現実味を帯びることになるでしょう。

 

“カイル・シュワーバー打線” と化している阪神タイガース

 開幕から3カードを消化した2024年シーズンのプロ野球ですが、阪神と広島は「打撃不振」で苦しんでいます。

表: 主要打撃項目の成績(2024年4月8日時点)
阪神 広島 リーグ平均
得点 27 ③ 17 ⑥ 24.7
打率 .217 ⑥ .225 ④ .235
本塁打 9 ① 1 ⑥ 4.2
四球 33 ① 13 ⑥ 21.5
出塁率 .298 ③ .268 ⑤ .292
長打率 .355 ① .285 ⑥ .319

 カープは得点力不足が深刻。出塁率と長打率が低調であるため、四球と長打が少なくて走者が思うように進塁できていないことが得点力不足を招いています。

 一方の阪神は「リーグで最も打ててない打線」です。

 それでも得点が取れている理由は「12球団トップの本塁打数」があるから。四球も昨年と同様に選んでリーグトップとなっており、「チーム打率が上がってくるか」が注目点です。

 

実は「投手陣が不調」

 チーム得点はリーグ3位に付ける阪神が勝ち切れていない理由は「投手陣が不調」だからです。

 阪神の31失点はリーグワースト。防御率 2.73 はリーグ5位。原因の一端は与四球と被本塁打です。

  • リーグ平均
    • 与四球: 21.5
    • 被本塁打: 4.2
  • 阪神
    • 与四球: 29(6位)
    • 被本塁打: 6(5位タイ)

 “野手の守備力に左右されない被本塁打と与四球” の数値が芳しくないのです。

 マスコミと歩調を合わせて『佐藤輝のエラー』を批判する前に「四球連発で本塁打を許していたら流れが悪くなる」と投手陣を叱責することが首脳陣の役割でしょう。現状は「守備力以前の問題」だからです。

 

 阪神と広島は交流戦までに「週初のカードで4度対戦する日程」が組まれています。

 それだけに “リーグワーストの投手陣を持つ阪神” と “リーグワーストの打撃陣を持つ広島” のどちらが先に浮上のきっかけを掴むのかが重要になると思います。