“マツダスタジアムの打球が跳ねるグラウンドコンディション” に翻弄されて4失策を記録した阪神タイガース

広島 3-9 阪神:23回戦(マツダ・2023年9月16日)

 阪神打線の状態の良さが示された広島戦(23回戦)でしたが、その一方でマツダスタジアムのグラウンドコンディションに翻弄されて4失策を記録した試合でもありました。

 「優勝を決めた後の試合だったのでエラーで阪神の順位に影響が出ないことと負傷者が出なかったことが救い」と言えるでしょう。

 

異様なほど打球が跳ねた内野の土部分

 9月16日のマツダスタジアムでの試合は阪神の内野陣が守りにくそうなグラウンドコンディションでした。

 走路のある内野の土部分では初回から異様なほど打球が跳ねており、セカンドの中野がボールに刺し込まれる形での打球処理になるなど苦戦していたからです。

 この状況が変わったのは6回表から。5回裏終了時のグラウンド整備で散水したため、打球が一時的には跳ねにくくなっていました。

 ところが、阪神の内野陣は「打球は跳ねる」の認識で処理を試みたことで6回裏の守備でエラーを連発。ブルワーの足を完全に引っ張り、後を継いだ桐敷は打球をトンネルするほどボロボロでした。

 その後は散水した土の部分が乾いてくると打球の跳ね上がり具合が復活。8回裏にはイレギュラーを顔面に受けた中野が右顎から流血する事態にまで見舞われました。

 大事に至らなかったことは幸いですが、グラウンド状況については「改善」を広島側に要望すべきでしょう。16日のコンディションだと怪我人が出ることは避けられないと思われるからです。

 

土の水分含有量で跳ね方が極端すぎるのはどうなの?

 マツダスタジアムの内野が守りにくいのは「天然芝と土で打球の跳ね方や勢いが違うから」です。これは球場の特性ですし、人工芝とアンツーカー部分でも同じことが言えるため守備側が受け入れるべきです。

 ただ、今回は「土の部分に散水した直後」と「散水からしばらく経って土が乾いた状態」で打球の跳ね方があまりに違いすぎました。この点に関しては改善の要望を出す資格は NPB のどの球団にもあるでしょう。

 イレギュラーバウンドの餌食になって選手が負傷離脱するリスクにさらされているからです。

 「プロならグラウンドコンディションに対応すべき」という意見は最もですが、“慣れるまで” に一流打者の放った強烈な打球で負傷離脱を強いられてしまうリスクはカープの選手も抱えているのです。

 『改善策の模索』はあっても良いと思います。