2024年の現役ドラフト、阪神は奪三振能力を重視した「投手の入れ替え」となる

 2024年の現役ドラフトが行われ、阪神から浜地が DeNA に移籍。巨人から畠を獲得することが決定しました。

 阪神が関わった現役ドラフトは「 “指名球団が欲する能力を持つ投手” とのトレードに成功」しており、両投手が新天地でさらに成長することができるかが注目点になるでしょう。

 

奪三振能力を評価したと思われる阪神タイガース

 阪神は藤川監督の意向も反映する形で “奪三振能力の高い投手” を指名。

表: 2024年のファーム成績(※ 括弧内は1軍成績)
ERA Inn K% K/BB WHIP
1.41
(3.00)
44.2
(3)
21.3%
(30.0%)
3.18
(-)
0.76
(0.33)
佐藤蓮 2.03 48.2 23.3% 1.96 1.34
浜地 1.65
(2.11)
16.1
(21.1)
19.7%
(10.8%)
2.60
(4.50)
0.98
(0.89)
上茶谷 4.42
(4.37)
38.2
(22.2)
19.8%
(14.5%)
3.40
(1.45)
1.34
(1.90)

 阪神から現役ドラフトのリストに掲載された浜地の泣き所は「落ちる変化球で空振りを奪うタイプの投手ではない」こと。

 佐藤蓮が「浜地と同じ1998年生まれ」ですし、落ち球を1軍で通用する精度にまで仕上げるには時間を要します。

 だから、阪神は「浜地との引き換え」を許容したのでしょう。

 

実は上茶谷よりもスタッツは良好だった浜地

 浜地の新天地となる DeNA は上茶谷を手放しました。ネームバリューから「なぜ上茶谷を手放す?」との声が上がっていますが、成績的には止むを得ません。

 上茶谷が1軍で投げていたイニングを浜地が投げていたと仮定すれば、失点は半分で済んだ(との単純計算ができる)からです。

 同水準の奪三振能力を持つ両投手の明暗が分かれた理由は与四球数と被打率。

 上茶谷は被打率が .300 超ですし、“防御率 1.93 で構想外を告げられた左腕の石川達也” も対左の被打率は .310 でした。

 阪神から加入する浜地と岩田将貴の2人は「上茶谷と石川達也に期待されていた役割を担うこと」が求められることになるでしょう。

 

 巨人から加入する畠は「浜地より4歳上」であるため、加入初年度の2025年シーズンから「フォークを駆使した高い奪三振能力を示して1軍戦力として貢献すること」が期待されます。

 ざっくり言うと、畠と漆原でサバイバル。首脳陣が嬉しい悲鳴を漏らすようなハイレベルな競争を期待したいと思います。