雨天延期となっていた交流戦・日ハム戦をサヨナラ勝ちで終えた阪神ですが、岡田監督は「走塁ミス」に対する不満をマスコミの前でブチまけています。
しかし、岡田監督に「走塁時の積極性がない」と文句を言う資格はありません。セーフティースクイズなど『保身的な采配』で選手に責任転嫁をしているからです。
同点の無死1・3塁でセーフティースクイズを出す『消極的かつ保身的な采配』
6月18日の日本ハム戦で5回裏に無死1・3塁の先制機を掴んだ阪神の岡田監督は梅野にセーフティースクイズを命じました。
この場面で思い出されるのは「『王貞治 DAY』でセーフティースクイズを敢行した阿部監督」でしょう。作戦は失敗に終わり、読売新聞が紙面で苦言を呈するほどでした。
阿部監督自身が認めているようにセーフティースクイズは「3塁走者にスタートの判断を丸投げするベンチの首脳陣にとって都合の良い作戦」です。
梅野のバント能力を信頼していたのなら『スクイズ』を仕掛けるべきでしたし、そうでないなら打たせるべきでした。
「3塁走者が走力のない(=スタートを早く切る必要がある)前川」で「次打者が(梅野よりも三振率が高い)小幡」だったのです。『二遊間への併殺打でも1点』と割り切っても良かったはずです。
アウトのタイミングでの本塁突入を自重したら「なんで行けへんのや」と逆ギレ
その後の攻撃では1死満塁から原口の放ったファールゾーンへのフライを万波が捕球。スタートを切った森下が(藤本コーチの指示を受けて)本塁突入を自重したプレー判断に岡田監督はキレました。
しかし、“走塁死を嫌う指揮官が率いるチームの3塁コーチ” が本塁突入に『ストップ』をかけるのは当たり前。
「フェンス目前で捕球した万波が “反時計回りに回転して背中がフェンスに衝突したことで生じた反動をステップの代わりに使った低くて鋭い送球” を内野に返してきた」のです。
ファーストのA・マルティネスが中継プレーに参加して本塁への送球を “修正” していれば、3塁走者の森下は本塁憤死だったことでしょう。次打者は近本でしたし、状況的に『ストップ』は間違いではありません。
新庄監督が手塩にかけて育ててきたファイターズ外野陣の守備力は想像以上に凄かった。それだけのことなのです。
『スクイズ失敗による采配批判を浴びるリスク』と『判断を3塁走者に丸投げするセーフティースクイズ』を天秤に掛けた際に後者を選択する監督に「走塁の積極性」を説く資格はありません。
チームに『積極的な走塁』を求めるのであれば、ベンチが「スタートの後押し」をしつつ「1つ先の塁を狙ったことで生じた(挟殺プレーを含む)走塁死は擁護・容認」しなければならないからです。
“保身的な采配をする監督” が『結果論』で文句を言えば、選手やコーチが『消極的なプレー判断』をするようになるのは当然です。まずは岡田監督自身が采配や判断の責任を公に認めることから始めるべきでしょう。