岡田監督は「(村上と坂本のバッテリーの)入り球の選択が悪くて打たれてる」と “試合後に” 文句を言うのではなく、“試合中に” 監督権限で修正要求を出す責務があった

 5月21日の広島対阪神8回戦は阪神の先発・村上が広島打線に捕まり、6-2 で阪神が敗れました。

 岡田監督は「バッテリー陣が何も対策していない」と試合後に文句を言っていますが、岡田監督には “試合中に” 対策を命じる監督権限があるのです。

 「広島の秋山に(初球の)入り球を狙い打たれている」と分かっていたのであれば、監督自身・投手コーチ・バッテリーコーチなどが『対策を指示』すれば良かっただけの話です。

 

ピッチャーはマウンド上で実際に投球するまで “本当の調子” は分からない

 岡田監督は「ボール球から入って様子見したらいい」と主張していますが、21日の試合で先発した広島の床田のように「先頭打者にストレートの四球を与えてしまう」ことが普通に起こり得るのです。

 先頭打者に初球の入り球が球威不足や制球力不足で打ち返されることはあります。

 どの大エースにも起こり得ることですし、それをわざわざマスコミの前で批判する必要はないでしょう。よって、別の狙いがあると思われます。

 

岡田監督の発言は「22日の試合に向けた心理戦」

 阪神ベンチが「広島打線はファーストストライクから積極的に振りに来ている」と認識していたのであれば、21日の “試合中に” 村上と坂本のバッテリー陣に『対処』を命じれば良かっただけのことです。

 2回裏に先頭の末包に初球のカーブをレフト線に運ばれて2失点目のきっかけを作られたのですから、2回裏のカープの攻撃が終了した後に(コーチを経由して)「入り球はボールで様子見するなど工夫しろ」と『指示』することができたからです。

 これをせず、21日の試合後にマスコミの前で不満を口にしたのは「22日の試合でカープ打線が大竹に対して『積極的に振って行くスタイル』を躊躇させるため」の心理戦でしょう。

 今年の大竹は「球数が100球近くで交代」しており、カープ打線に『好球必打』で臨まれると「浅いカウントでの失投が致命傷になるリスク」があります。

 その一方でカープ打線が「入り球はボールかも」と思って待球してくれると、大竹は見逃しストライクを取れる確率が高まります。

 カープの各打者が迷ってくれると阪神は恩恵を享受できるため、マスコミを使った心理戦で優位に立とうとしていると考える方が自然でしょう。

 

 岡田監督が “村上と坂本のバッテリー” に「対策してへんやろ」とマスコミの前で不満を口にするのであれば、“床田を打ちあぐねている野手陣と打撃コーチ” にも「対策してんのか」と苦言を呈さなければなりません。

 パフォーマンスに対する評価は公平でなければならないからです。