フライデーの「佐藤輝明がデイリーの憶測批判記事に苦言を呈していた場面を “ブチギレ” と切り取られたのが真相」との擁護は無理がある

 フライデーが「佐藤輝明ブチギレ事件の真相」と銘打ち、問題を起こしたデイリースポーツを擁護する記事を配信しています。

 “匿名の” 阪神 OB が語ったとされる内容が根拠ですし、デイリースポーツが弁明を出した後に辻褄を合わせようとしただけの記事です。矛盾点が残ったままであることを指摘されると苦しいでしょう。

 

佐藤輝明が “試合中に配信された自身への憶測記事” を把握しているのか?

 フライデーの擁護記事で苦しいのは「佐藤輝明が “自身が出場している試合中に” デイリーから配信された憶測記事の内容を把握しているという前提」に基づいていることです。

 まず、スマホなどの電子機器はベンチ内に持ち込めません。

 誰かが試合終了直後までに「デイリーが憶測記事でバッシングをしている」と佐藤輝明に伝えなければ、“佐藤輝明が” 記者に質問をすることは起こり得ないのです。

 そして、“その誰か” は「佐藤輝明が当たりゴーとサインを勘違いしてライナーゲッツになった」のではなく「ベンチから出されたサインに従って当たりゴーの動きをした」との確証を持てる人物でもあります。

 これらの条件を満たす人物が実在する可能性はゼロに近いでしょう。

 

デイリーが「基本であるライナーバックすらできなかった佐藤輝明」と憶測批判をしたことが元凶

 今回の騒動はデイリースポーツが試合中に「基本であるライナーバックすらできずに痛恨の併殺を許した佐藤輝明」との憶測批判記事を “平常運転” で配信したことが発端です。

 デイリースポーツの記者は “その認識のままで” 試合終了後に佐藤輝明の囲み取材に参加。

 その後、佐藤輝明が囲み取材の輪から離れてグラウンドを離れようとした際に “何らかの発言” が浴びせられたのでしょう。

 踵を返した佐藤輝明が「今、何て言った?」と詰め寄り、球団職員が慌てて止めに入った場面が SNS で拡散することになりました。

 だから、デイリースポーツは『最後の場面』にだけ言及して「弊社の記者が佐藤輝明選手から “質問” を受けて説明を行った場面」と矮小化を図っているのです。

 

“岡田コールに触れた一問一答” で明かされた『ゴロゴー』をグラウンド内で取材中の記者が知っている怪

 デイリーの弁明記事とフライデーの擁護記事の双方で触れていないのは時系列の矛盾です。

  1. 9月28日の試合は神宮での最終戦だったので全員で挨拶
  2. (手ぶらの)岡田監督は一足先に引き上げ、グラウンドを去る際に岡田コールに右手で帽子を取って応える
  3. 選手はベンチ裏で簡単な着替えや片付けを済ませてから用具を持って引き上げ
  4. 岡田監督はグラウンド外で囲み取材を受ける

 岡田監督が「行けのサインなんやからライナーバックは無理」と取材陣からの質問に答えた一問一答では「岡田コールもありましたね」と記者から水を向けられています。

 つまり、岡田監督の囲み取材に当たった記者だけが「佐藤輝明がライナーバックをしないことを咎めたデイリーの記事は憶測批判」と認識できるのです。

 その一方でグラウンド内で主力選手が引き上げて来る所を待っていた記者が “岡田監督の一問一答の内容” を把握した上での質問をすることは困難でしょう。

 「デイリーの記者は把握できていた」と主張するのであれば、佐藤輝明から記事に対する “質問” が出るや否や「記事の内容に誤りがあった」とデイリー側の全面的な非を認めることで穏便に済ませることができていたはずからです。