6月25日から27日までで行われた阪神と中日の3連戦では前川が課題だった守備面でも成長したプレーを見せていたことも収穫です。
「筒井コーチとの取り組みが成果として現れている」と言えますし、特長であるバッティング以外の面でもチームに貢献している成長度合いは讃えられるべきでしょう。
前川の課題は「守備(と走塁)」
前川は春季キャンプの時点で打撃にはお墨付きが与えられており、レギュラーの立場を確保できるかは「守備と走塁をどのぐらい上達できるか次第」という立場でした。
そのため、1塁ベースコーチで外野守備コーチでもある筒井コーチと地道な守備練習を継続。
近くで見守ってきた筒井コーチは「もちろん欠点もあるんだけど…」と前置きしながら、長所も教えてくれた。「捕球の柔らかさとハンドリングの良さですね」。イレギュラーへの対応力は優れているという。そして、今は試合前練習であえて捕れない位置へノックを打ち、守備範囲を広げる特訓も行っている。
この取り組みが6月25日からの中日との3連戦で成果として現れました。
頭上を越されても止むを得ない打球を3連戦で3度捕球したことは大きい
25日からの中日との3連戦で阪神の先発投手は「レフトの頭上を破られても止むを得ない打球」を許しています。
25日に倉敷で行われた10回戦では5回表に龍空が才木から放った鋭い打球がレフト後方に飛びました。「データのない地方球場」かつ「ライトからレフトへの追い風」という難しい状況でも『無駄のない背走』から捕球に結び付けたプレーは良かったです。
翌26日の11回戦は1回表2死満塁から福永が放った大飛球を甲子園のウォーニングゾーンでキャッチ。初回の大ピンチを無失点で切り抜ける “仕上げ” をしました。
その翌日の27日にも7回表に福永が放った左中間への良い当たりを落下地点に一直線で入って捕球しており、筒井コーチとの『守備範囲を広げる特訓』が効果として出ていると言えるでしょう。
これらのプレーはマスコミからもっと讃えられても良いはずです。
守備範囲が広くなっていると「センター(の近本)とどっちが捕球するのか問題」が発生する頻度が高くなります。お見合いでアウトを取り損ねるのは悔やまれるため、より細やかな意思疎通が要求されることになるでしょう。
スローイングの弱さに関しては “守備範囲が広くて強肩の小幡” がショートを守っているため、『特待』を用立てることは十分に可能だと思います。