“5月は近本に次ぐチーム2位の月間打率を残していた打者” を抹消すれば「打撃陣が悲惨になる」のは当たり前

 5月24日から26日までの巨人との3連戦で “同一カードで2度目のノーヒットノーラン” を達成されかけた阪神タイガースの岡田監督が「打つ方があまりに悪すぎる」と不満をぶちまけています。

 5月下旬に打線が半月前よりも低下するのは止むを得ないこと。岡田監督が “近本に次ぐチーム2位の月間打率を残していた打者” を「守備難」を理由に抹消したからです。

 『守りの野球』を敢行するための代償は甘んじて容認しなければならないでしょう。

 

月間打率 .286 ・OPS .769 は「打撃不振」なのか?

 5月26日の試合終了時点における阪神の主要打者の『5月の月間成績』は下表のとおりです。

表: 5月の月間成績(2024年5月26日終了時点)
5月全体 直近6試合
打率 OPS 打率 OPS
近本 .305 (82-25) .869 .391 (23-9) .918
渡邉諒 .308 (26-8) .780 .250 (16-4) .688
佐藤輝 .286 (28-8) .769 .318 (22-7) .809
中野 .250 (84-21) .656 .250 (20-5) .598
森下 .227 (66-15) .596 .238 (21-5) .536
大山 .189 (74-14) .571 .200 (20-4) .492
木浪 .228 (57-13) .566 .167 (18-3) .508
打線全体 .209 .563
前川 .179 (28-5) .538 .200 (10-2) .667
井上 .208 (24-5) .448 .083 (12-1) .237
糸原 .130 (23-3) .433 .154 (13-2) .421
ノイジー .170 (53-9) .408 .190 (21-4) .499
坂本 .156 (32-5) .362 .050 (20-1) .145
梅野 .139 (36-5) .318 .143 (14-2) .330

 阪神で2024年5月に打撃好調だったのは近本。5月前半も5月後半もチームトップの月間打率と OPS を残し、打線を牽引しています。

 そして、月間打率と OPS で2番手に付けていたのが佐藤輝明。

 『シーズン打率と OPS』で「打撃不振」と批判され続けている佐藤輝明が『2024年5月の月間打率と OPS』で好成績を残していました。

 しかし、佐藤輝明はエラーによる守備難を理由に抹消。近本と佐藤輝明を除く打者は月間打率が .250 未満だったため、チームが打撃不振に陥ることは不可避な状況でした。

 この現実から目を背けている岡田監督に「打つ方があまりに悪すぎる」と不満を口にする資格がないことは明らかでしょう。

 

“BABIP が .389 で大幅な上振れ中の渡邉諒” が現在の成績を維持することは困難を極める

 現在の阪神タイガースで「状態が最も良い」と(岡田監督から)評されている渡邉諒ですが、BABIP が .389 と『チーム BABIP』の .270 よりも大きく上振れしています。

 今後は『渡邉諒の BABIP』が .300 に向けて収束して行くことは不可避であり、打率や OPS が徐々に低下することは避けられません。

 そのため、“5月の月間打率が .250 未満で苦しんでいる中心選手” の奮起が求められているのです。

 

 5月26日の巨人戦での中継で「阪神は『7番で打席に入った打者の打率』が『(主に投手が務める)9番で打席に入った打者の打率』よりも低い」と紹介されていました。

 『ピッチャーと代打陣』よりも打率が悪い『捕手陣』が「7番で先発フル出場」なのですから、これは打順を決める監督の責任でもあるでしょう。

 岡田監督の左右病、データ無視、贔屓起用などは今に始まった事ではありません。去年からそうでしたが、去年は日本一になって結果で黙らせただけです。

 結果が出なければ批判されるのは当たり前。打線が不調なら、交流戦は2022年シーズンのように投手力で “圧倒” すれば良いだけのこと。岡田監督がファンの期待に結果で答えてくれることに期待したいと思います。